04

「うほー!うめェー!!!!」

「おい!ルフィ!!俺の食うな!!」

「すみませーん!ビール!!」

「熱燗」

「チューハイ」

「ジュース!!!」

最初は文句や警戒があったが、次第にガヤガヤといつものうるさい宴になっていた。

「マルコさん!お久しぶりです!」

素子がご機嫌でお酌をして回っていた。既にシャンクスと白ひげには巡回済みだった。

「おう、元気かよい?」

マルコはにこりと笑った。

「はい!」

素子は上機嫌でマルコにお酌をした。だいぶ酔っている様だ。

「サッチ!久しぶり!」

素子が美しい顔でサッチに笑った。

「お!素子!俺にもついでくれるのか?」

サッチがグラスを出すと素子はビールをついだ。

「……」

愛子は少しじとっと2人を見る。

「愛子さん?」

真子が不思議そうに愛子を見る。

「……元恋人同士……」

愛子は不機嫌そうにサッチと素子を見た。

「あー……」

なるほどと真子は頷いた。

「何だよ愛子ちゃん、不機嫌そうだな」

サッチが「どうしたの?」と愛子に聞く。

「別にー。何でもないですよー」

愛子は不機嫌そうにビールを飲んだ。

「おっ!可愛いなァ!!いっちょ前に焼き餅とか焼いてるのー?」

うふふとサッチが気持ち悪く笑う。

「サッチさん」

「ん?」

「チェンジで」

愛子がサッチを睨み上げながら親指と人差し指を回した。

「ひ、ひどーい!!」

サッチがどこから取り出したかハンカチを噛んだ。

「安心しろって!あいつはアッチの副社長に焼き餅焼いて欲しいだけだからさ」

サッチはニヤニヤと笑ってベックマンを指差した。

「っ!!べ、別に私は!」

先程までの大人の女の顔をしていた素子が真っ赤に焦った顔をした。

その顔に遠くにいるベックマンがぴくりと反応した。

「か、可愛いー……」

愛子はその姿に思わず声を漏らした。

「だろー!」

サッチがケラケラと笑った。

「うるさいわよ!サッチ!!」

素子がぱしんとサッチを叩いた。

「でも!サッチさんを使うのはダメです!それなら私が!!」

「は?ちょ?!」

愛子が素子に抱き付いた。

「素子さんって言うの?可愛いね」

キリリとした顔で愛子が笑った。

「ちょっ、ちょっと?!」

素子が戸惑いながら愛子を見た。

「あはは!良いぞー!やれやれー!!」

回りがケラケラと笑いながら愛子と素子を見る。




「あー!おい!副社長!」

「ベックマン!良い所だったのに」

「……」

ベックマンが無言で素子を担ぎ上げると自分の席に座るとその隣に素子を座らせた。

「意外に独占欲強いんだなー」

「あはは!!肝の小さい男だなー!」

宴会場に笑いが起こっていた。










「なァなァ!これ使えるのか?」

ウソップがヤソップにカラオケの機械を指差す。

「大丈夫じゃねェか?」

ヤソップはビールを片手に頷く。

「お!ならガキ共で何かやれよ」

シャンクスがニヤリと笑った。

「おー!じゃあエースもだな!」

ルフィがエースを引っ張る。

「あ?俺はガキか?」

「グラララ!!ガキだな」

「……」

白ひげに言われたらエースは素直に立ち上がる。

「こら!要もだ!」

「え?えぇ?!」

要はエースに引っ張られルフィとウソップに近付いた。

「何歌うー?」

ウソップが分厚い本を捲りながら聞く。

「俺、ソゲキングの歌が良い!」

ルフィははーいと手を挙げる。

「却下。わかんねェよ」

エースは本を覗き込みながら却下する。

「えー、じゃあ、フランキー将軍」

「わかんねェ」

「エースは物知らねェな!!」

ルフィは口を尖らせてブーブーと言う。

「まァ、じゃあ、これは?」

ウソップが指をさす。

「アイドル曲か。オッサン達分かるか?」

エースはまァまァと頷いた。

「俺、これわかるぞ!」

ルフィも頷いた。

「よし、ならこれを」

「え?!これ歌うの?」

要が驚く。

「「「踊る」」」

「…………」

3人の言葉に要は驚いたまま口をパクパクとさせた。

「じゃあ!センターは俺な!」

ウソップが手を挙げる。

「えー!俺も真ん中が良い!」

「お前最初のダンス出来ねェだろ!!」

「チェーッ!」

ウソップとルフィが楽しそうに言い合いをする。

戸惑う要を他所にウソップが曲を入れると曲が流れ出した。

そらに合わせてウソップが踊る。


「おー!すげー!」

どよめきが起き、

「あいうぉんちゅー!」

歌い出す。

「あはは!!」

「可愛く踊るな!」

「要ちゃーん!可愛いー!」

4人が踊り出すと野次が飛んだ。

要は恥ずかしさに下を向きながらも懸命に踊り通した。





踊り終わると要がラクヨウに呼ばれる。

「おーい!ちょっと来いよ!」

「え?わ、私ですか?」

要が驚いていると白ひげ、シャンクス、ベックマン、マルコと言う強面のメンバーの場所につかされた。
エースももちろん付いてきた。

「よーし!!!じゃあ!恒例の呑み比べ大会開始ー!」

「え?」

ラクヨウの言葉に要は驚いて振り返る。

「白ひげ側の景品はいつもは3日間の有給休暇だが、今回は何と!某ネズミ王国各ランドとランド内ホテル2泊付きだ!!」

「「「おー!!」」」

ラクヨウが叫ぶと場内からどよめきが起きた。

「一人ものはどうする?」

「うるせー!それは勝手にしろ!!」

ギャハハハと笑った。

「よーし!参加者は来い!」

ラクヨウの声に子供と女以外は集まった。

「じゃあ!今回はテキーラを用意した!」

「馬鹿だろ!!」

野次が飛ぶ。

「おう!上等だ!今叫んだ奴前に出ろ!」

ラクヨウが怒鳴る。

「良いから早く始めやがれ!グラララ!」

白ひげの豪快な笑い声にラクヨウはため息をついた。

「コップ一杯のテキーラを呑み終わった奴が優勝だ!」

「コップ一杯のテキーラ……」

「じゃあ!みんな持ったかー?」

「「「おうー!!!」」」

「じゃ!」

「「「かんぱーい!!!!」」」

全員が叫ぶと一斉に口をつけた。








「グラララ!!!」

白ひげは豪快に笑った。

「チッ!!タッチの差だな!」

シャンクスは悔しそうに舌打ちをした。

「まだまだ若いもんには負けねェなァ!!!!」

白ひげは楽しそうに笑った。

「大丈夫か?要?」

エースが要を覗き込む。

「うーん、さすがにテキーラは味が……」

「残念」と笑いながら要がエースを見上げた。

「なら、今度連れてってやるよ!」

エースはニカリと笑った。






この呑み比べ大会の後には潰れる者がほとんどであった。

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