04
「話はあんじゅから聞いた」
白ひげが落ち着き払った声を出した。
「てめぇ、赤髪の小僧。俺の娘をたぶらかすとは良い度胸だな!グラララララ!!!」
白ひげの高笑いに甲板にいた海賊達が緊張した。
「あァ、良い女だったからな!仕方ない」
シャンクスはそんな白ひげの態度に変わらずに頷いた。
「グラララララ!!!そりゃあ、俺の娘だからな」
ニヤリと笑う白ひげの顔に白ひげ海賊団はぞくりと体を震わせていた。
「ま、つう事で貰って行く。こっちだ」
シャンクスがあんじゅに手を差し出した。
「うん!」
あんじゅはシャンクスへと足を進める。
「あんじゅ」
「ん?」
白ひげの呼ぶ声にあんじゅは振り返る。
「良いのか?」
白ひげは真剣な顔で聞く。
「うん!オヤジとこの船でずっと一緒ってのも楽しいんだけど、私、もっと違う世界も見てみたい!ご飯もお腹一杯食べたい!!!」
あんじゅはへらりと笑った。
「おい!お代わり一回ってのを気にしてかい?」
マルコが慌てた様に聞く。
「うん」
「っ!!」
あんじゅの笑顔に驚くマルコ。
「なら、後腐れ無いようにしねェとな!撃ち方用意!」
「っ!!行くぞ!」
白ひげの言葉にシャンクスはあんじゅを抱き寄せ走り出す。
「うん!!」
あんじゅは楽しそうに笑った。
「祝砲だ、受け取れバカ娘!撃てェェェ!!!!」
ーードゴーン!ドゴーン!
モビーディック号から空に向け大砲が次々と撃たれ始める。
「さァ!!船を出せ!!」
レッドフォース号にたどり着くとシャンクスが砲撃の音に負けない声を出した。
あんじゅはレッドフォース号の甲板から身を乗り出してモビーディック号から放たれる祝砲を眺めていた。
「中に入れ。これだけ派手にやってるとすぐに海軍が来る。元々四皇同士だからな」
副船長であるベックマンがあんじゅを促す。
しかしあんじゅは動かずにじっとモビーディック号を見ていた。
祝砲が止むとモビーディック号から声が聞こえた。
「寂しくなるぞー!」
「元気でいろよー!」
「マルコはこっちで〆とくからなー!」
「赤髪の食料食い尽くせよー!」
口々に言葉をかけてくる白ひげ海賊団。
「ありがとう!!!食い尽くしてくるよー!!!」
あんじゅは嬉しそうに大きな声で手を降った。
「「「ウォォイッ!!!!!」」」
赤髪海賊団が総突っ込みをした。
「だっはっはっ!!面白い嫁だな!」
シャンクスは楽しそうに笑った。
「……頭痛の種が増えただけだな」
ベックマンは笑いながらタバコを吹かした。
そんな時でも腹は減る「さっそくだけど、シャンクスお腹減った!あ、あんじゅです!これから宜しく!」
「おう!俺はシャンクスだ。宜しくな、あんじゅ」
「「「そっからかよ!!!」」」
「……先が思いやられるな」
「あはは!ベン頑張れよ!」
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