01
「おいひー!」
あんじゅは口の中いっぱいにご飯を詰め込み幸せそうに笑った。
そんな中丁度食材の資料を読んでいたマルコが食堂へやって来た。
「…………良く食う奴だよい」
マルコは呆れながらあんじゅの食いっプリを見る。
「あ!マルコ隊長!今日のピラフも絶品です!!」
あんじゅは良い笑顔でスプーンを持ち上げた。
その笑顔にマルコは苛立たしさを覚えた。
(俺があれこれ計画立ててもこいつに全部喰われる……)
マルコはある決意をした。
「皆聞け!!今後お代わりは一度までだよい!!!」
マルコの言葉にシーンと静まり返る食堂。
「「「え?えぇぇ!!!!」」」
海賊達の悲鳴がこだました。
「うう、酷いよマルコ隊長……。ご飯お代わり一回じゃ足りないよ……」
あんじゅは普通の人間で、中肉中背。だが、食事の量が尋常ではなかったのだ。
「あぁ、ひもじい……。っ!!この匂いは!」
島についたあんじゅは1人モビーディック号から離れ走り出した。
「ご飯!!すみません!カツカレー大盛りで!!!」
「はいよ!姉ちゃん!」
あんじゅは飯屋に入るとカウンターに座り、元気に注文した。
「お!姉ちゃん元気だな!」
隣に座っていた男が声をかけてきた。男の前には酒の空き瓶がたくさん。
「もう!お腹減っちゃって!」
「ほい!カツカレー!」
「うわー!!!いただきます!!!」
あんじゅは隣に座る男の存在を忘れてカレーに食らいついた。
「おいひー!」
あんじゅは満面の笑みを浮かべる。
「そうかい!良かったねぇ」
店主はあんじゅの笑顔に笑った。
「…………もう、終わっちゃった……」
ものの5分で大盛りカツカレーはあんじゅの胃袋へ消えた。
「だっはっはっ!良く食うな!何か食うか?」
余りにも寂しそうなあんじゅに隣の男が笑いながらメニューを差し出してくる。
「え?!良いの?!」
あんじゅは目を輝かせた。
「だっはっはっ!奢るよ!食べな!」
男は高らかに笑った。
「じゃあ!!!」
「ふわぁぁ!!!!」
目の前に並んだ料理の数々にあんじゅは目を輝かせ、よだれを垂らした。
「いただきます!!!」
あんじゅが目を輝かせて挨拶する姿を男は楽しそうに見ていた。
「おやじ!もう一杯!」
男も負けじとジョッキを差し出した。
「あいよ!」
店主は儲かる客だと嬉しそうに笑った。
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