その後の時間5
「うわっ!」
エースの部屋に遊びに来て漫画を読みふける○○。
暇になったエースがその上に乗っかる。
「ちょっ!エース!重いよ!」
○○はエースの下でじたばたと暴れる。
「…………暇」
エースは口を尖らせていじけた様に言う。
「ご、ごめんね!これ、面白くて!」
○○が申し訳なさそうに漫画を差し出す。
「あァ、これ俺も好きだ。貸してやるから、俺も構え」
エースはニヤリと笑うと体重をさらにかけた。
「お、重っ!」
○○は何とかエースを退かそうと暴れる。
しかし、エースの体はびくともしない。
それどころかエースは楽しそうに笑っている。
「あはは、頑張れー」
特に手で○○を拘束している訳ではなく、体を乗せているだけ。
しかし、その乗せ方も絶妙で、○○が逃れる事が出来ずにいた。
「エース……ずるい」
○○はキッとエースを睨む。
「○○は可愛いな」
エースはにこりと笑ってキスをひとつ落とすと、あっさりと退いた。
「むー。…………そうだ!」
○○は何かを考えて、思い当たる。
「エース!」
「何だ?」
「ここ、寝て?」
○○が先程まで倒れていた場所を指差す。
「は?」
「まぁ、良いから!良いから!」
○○は嬉しそうにエースをその場に仰向けにする。
「でー、っと、はい!!」
エースの両手をそれぞれの両手で、顔の横に押し付けた。
○○がエースの上に股がる様に乗る。
まるで、エースを押し倒しているようだ。
「は?」
「ふふ!これならエースも手も足も出ないでしょ?」
○○は楽しそうににっこりと笑った。
(…………これは、マズイな。ヤベェ、反応する)
エースはムラッと○○に欲情しながらも、表には出さすにする。
「いや、何だ?この状況」
エースは冷静を装い聞く。
「ふふ!エースもこれなら、身動き取れないでしょ?」
「…………」
チラリと時計を見ると、そろそろガープの帰ってくる時間だ。
(よし、それなら)
「よっ」
「へ?!」
エースは押さえられた手はそのままに、腰を○○ごと持ち上げる。
「キャッ!」
そのままバランスを崩した○○はエースの上から転げ落ちた。
「えー?!ずるい!」
○○は納得が行かないと声を出す。
「お前な、俺は何度も抱上げてるだろ?」
エースはわざと呆れた様に声を出す。
「あー……。そっか」
○○はしょぼんと声を出す。
「エースは力持ちなんだね」
○○はつまらなそうに言う。
「私もエースに勝ちたい!」
「は?俺はいつも負けてるぜ?」
「へ?どこが?」
「○○に惚れてからずっとな」
「っ!!!」
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