24
「○○……。あー、何か飲むか?」
エースは下だけ履くと、ベッドでうつ伏せになり、シーツを被る○○に話しかける。
「……」
○○は無言で枕を抱き締めている。
露出した白い肩にはエースが付けた赤い印が点々と残っている。
「……珈琲、コーラ、アップル、オレンジ。サービスだってよ」
エースがメニュー表を読み上げる。
「……………………りんご」
「お、おう!」
○○の呟きを聞くとエースは電話を手に取り注文する。
その隙にベッドから抜け出し、着替えを拾い、バスルームへと入った。
「……」
エースはその様子を見送り、ベッドに倒れ込む。
「はぁ……」
優しくなんて、出来なかった。余裕なんて無かった。
エースは初めて感じる幸福感と少しの反省をしていた。
「……気持ち……良かった」
エースはバスルームから聞こえるシャワーの音に目を向ける。
「柔らかかったな。良い匂いだし。香水とかしてなくても甘い匂いするんだな」
エースはベッドににやける顔を押し付ける。
「…………はぁ」
○○はシャワーを浴びながらため息をつく。
気持ち良かった。初めは。
でも、痛かった。途中から。
止めてと言ってもエースは止めてはくれなかった。
「でも……」
○○は真っ赤な顔で俯く。
「飲み物来たぞ」
バスルームから出てきた○○に声をかける。
「あ、うん」
○○がエースの隣に腰掛けようとして、手を引かれる。
「っ!!」
「○○」
エースの足の間に座らせられる。
エースは○○の髪の匂いを嗅ぎなが後ろから抱き締める。
「痛かったか?」
「……うん」
○○は小さく呟いた。
「悪かった」
エースはギュッと力を入れた。
「……エースは?」
「ん?」
「………………その、き、気持ち……良かった?」
○○は顔を真っ赤にして呟くように聞いた。
「っ!!もちろん!そうだ!気持ち良かった!スッゲーな!!!」
エースは力強く叫んだ。
「っ!な、なら大丈夫。うん」
○○はエースの方を見ながら眉毛をハの字にしながらもにこりと笑った。
「…………それ、可愛過ぎだ」
エースは○○に口付けたる。
「ん……」
「なァ、もう一回しようぜ」
「え……」
エースの言葉に固まる○○。
「大丈夫。今度こそ優しくするから」
エースは○○をじっと見る。
「……そ、その」
「じゃあさ」
「?」
「ここでするのと、ベッド。どっちが良い?」
座っているソファーを指差してからベッドを指差し、首を傾げる。
「え?あ、えーっと」
○○は迷っていると、エースの手はすでに着たばかりの服を脱がそうと動き出す。
「やっ!ちょっ!!」
「あんまり焦らすなよ」
エースの艶っぽい声に頭をクラクラとさせる。
「んっ!……え、エース」
「ん?」
「べ、ベッド……行こう?」
「っ!!」
エースのか細い理性の糸が切れる。
「え?や!だから!ベッド!」
○○はソファーに押し倒される。
「○○が悪ィ」
エースは獰猛な獣の様にニヤリと笑った。
「○○ーー」
「………………」
「○○ちゃん?」
「………………」
「○○様……」
「………………」
「○○殿?」
「………………」
「…………悪かった」
「…………ぷっ」
「やっとこっち向いた」
(もう、可愛いなぁ)
[ 25/43 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]