20
店に着くと、ピザの大食い競争の様だ。
「やりぃ!」
「俺、肉が良かったな」
ボニーは喜び、ルフィは残念がる。
「えーっと?ルールは前金で3000円払って、10枚で3000円返金。30枚で5000円返金。50枚で一万円だってさ」
シャチがそう言って笑った。
「まァ、行けるんじゃね?」
サボが笑った。
「じゃあ、キャプテンと、ペンギンと○○以外は参加な」
「席が別なんだな」
ペンギンが呟く。
「ふ、来い」
「うわっと」
ローに引っ張られながら一般席に向かう○○。
「おい!」
エースはイラッと声を出す。
「エース!頑張ってね!」
「……あァ」
○○の笑顔にエースは拳を立てた。
『挑戦者は高校生と女性も含む若者5人でーす!』
店主らしい司会の男が拡声器を使う。
『意気込みをどうぞ!』
「早く、食わせろ!!!」
振られたルフィが答える。
店からは笑い声が湧いた。
『では、制限時間は40分!スタート!!』
「お代わり!」
「「「速っ!!!」」」
大きなピザを口に詰め込みルフィが叫んだ。
「あはは!さすがルフィ君!」
少し離れたテーブルで、一枚のピザを分けながら○○が笑う。
「あいつは、ただの馬鹿だな」
ローは呆れながらもニヤリと笑った。
「シャチー!ガンバレー」
ペンギンがシャチに声をかける。
ものの五分で全員が一枚のピザを食べ終わる。
「は、速い……」
○○は呆気に取られる。
「あー、麦わら屋が一番食ってるな。次がポートガス屋」
ローが重ねられていく皿を数える。
「○○、一切れしか食ってないぞ?」
ペンギンが○○に聞く。
「…………なんか、こっちがお腹いっぱい……」
○○が圧倒される。
『…………しゅ、終了……』
店主が泣きながら声を出す。
シャチが30枚。サボが42枚。ボニーが52枚。エースが55枚でルフィが56枚。
みんな、それぞれただな上に賞金を貰ってきた。
「う、もう、無理……」
シャチが苦しそうに言う。
「阿呆」
ローがシャチを見る。
「へへん!なかなか旨かったな」
ボニーがご機嫌で口を開く。
「旨かった!」
ルフィも機嫌良さそうに笑う。
「じゃあ、俺達は帰る。シャチもこんなだしな」
ローが言い、ペンギンがシャチを支える。
「おう!またな!トラ男!!」
ルフィが嬉しそうに手を振る。
「私も帰る。これから宜しくな!○○!」
あれだけのピザを食べ、ほぼ体型が変わらないボニーが手を振る。
「うん!またね!」
○○も嬉しそうに手を振った。
「さて、俺らも帰ろう」
サボがルフィを掴む。
「じゃあ、俺○○を送ってく」
エースがサボに言う。
「俺も行く!」
「ルフィ、アイス奢ってやる」
「本当か?サボ!!!」
サボがルフィを連れていき、あっという間にエースと○○が二人きりで残る。
「行くか」
「うん」
「ん」
エースが手を出す。
「……ん!」
○○は照れ臭そうにその手を取った。
「明日は暇か?」
夜の道を歩きながらエースが聞く。
「え?うん。バイトもないし」
○○は平日に入る代わりに土日を休みにしていた。
「じゃあ、今度こそデートしようぜ?」
エースはにかりと笑う。
「う、うん!」
○○は嬉しそうに頷く。
「じゃあ、明日迎えに来る」
丁度、家に着く時にエースが言う。
「分かった。楽しみにしてるね」
○○がにこりと笑う。
エースはキョロキョロと辺りを見回して、誰もいないのを確認してから○○に触れるだけのキスをする。
「っ!」
「じゃあな、出る時連絡入れる」
エースは笑顔と共に帰って行った。
「ただいまー」
「エース!アイス旨かった!」
「良かったな、ルフィ」
「ん!」
「なんだよ?サボ」
「ルフィの奴、アイス4つ食った」
「…………1000円」
「まいど!」
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