18

「あ、分かった気がする」

○○はキリンを見ながらポツリと呟いた。

「あんなに斜めなんだね。キリンの背中って」

「本当だな」

○○とエースはキリンを見上げる。
あの背中では鞍を装着した所で乗りづらいだろう。

「あ、キリンの舌って色黒いね。紫?」

○○は懸命に舌を伸ばして草を食べる姿を見る。

「あァ?本当だ」

エースもじっとキリンを見る。

「諸説あるが、紫外線予防の意味があるらしい」

「紫外線?」

ローに不思議そうに聞き返す。

「あァ、本来いる所が」

「トラ男ォォォ!!!こっちにトナカイとシロクマいるぞー!!!」

「おい!麦わら屋!離っ!」

説明していたローを引っ張りルフィが「こっちだ!」と笑った。

「ナイス、ルフィ!」

エースはグッとガッツポーズを決める。

「ロー君って、外科専攻だけど、もしかして獣医志望なのかな?」

○○は不思議そうに去り行く2人を見る。
ルフィとローを追い他の3人も去っていく。

「……なァ。キリンの舌ってエロいよな」

「は?」

「あれにキスされたら凄そうじゃね?」

○○はエースの言葉に慌ててキリンから目を反らす。

「想像したのか?やらしー」

「してなっ!!」

○○が怒りながらエースを振り返ると触れるだけのキスをする。

「でも、俺のキスのが上手いぜ?」

ニヤリと笑うエース。

「っ!ーー。どこから来るの、その自信」

○○は悔しくてそう口を開く。

「俺と言う存在から」

「…………じ、自信家」

○○は真っ赤な顔でエースを睨んだ。





「なァなァ!○○!トナカイのが良いよな!」

ルフィが真剣な顔で○○に詰め寄る。

「何を言う。シロクマだろ、シロクマ」

ローは怖い顔で詰め寄る。

「え?ちょっ」

○○はあわわと困った顔をする。

「おい、お前ら……」

エースは呆れながら○○を自分の後ろに隠す。

「お!エース!エースはチョッパーだろ?!」

ルフィはエースを見上げる。

「いや、ベポだろ。ベポほど愛くるしい動物はいねェ」

ローが睨むようにエースに詰め寄る。

「どっちでも良い!」

「「良くねー!!」」

こんな時ばかり息の合う二人。



「あれぇ?!トラファルガーくんじゃん!」

可愛らしい声が聞こえて振り返ると、ふわふわの髪の可愛らしい美人が立っていた。
後ろには黒髪の女性とピンクのストレートロングのナイスバディの女性がいた。

「あ?なんだ」

ローは思いきり面倒臭そうに振り返る。

「あー!ペンギン君とシャチ君もいるじゃん!ラッキー!」

黒髪の女性もにこりと笑う。

「あァ」

「よう!」

唯一シャチだけが交遊的に笑いかける。

「私たち、留学生のボニーちゃんと来たの」

ボニーとはピンクのストレートロングのナイスバディの女性らしく。
彼女は不機嫌そうに笑った。

「ねぇねぇ!せっかく会ったんだから一緒に回ろう?」

ふわふわの髪の女性がローに腕を絡ませる。

(うわ)

○○は積極的な女の子を見てこちらが照れると目を反らす。

「じゃあ、邪魔な俺達は行くぜ」

エースは○○の肩を押してルフィとサボに目配せする。

「えぇー!良いじゃないですか!一緒に」

ふわふわとした髪を揺らし、妖艶に笑う。

(チッ。男なら誰でも良いタイプか?)

エースは苛立たしげに女性を見る。

「つうか、○○置いてけよ。俺達と先に約束したんだからな」

ローは不機嫌そうにエースに言う。

「あァ?!ふざけんな!俺のだって言ってんだろ?!」

エースは苛立たしげにローを睨む。

「そんなに怒らないで」

にこりと黒髪の女性がエースに腕を触れる。

「ちょっと良い?」

○○を女性がにこりと呼ぶ。

「え?あ、うん」

○○は女性達に付いていく。





「貴女、良い気にならないでよ?」

先程まで可愛らしかった女性は怖い顔をした。

「はい?」

「ロー君もペンギン君もシャチ君もああ見えて優しいから貴女みたいな寂しい女でも優しくしてくれるのよ!」

「そうだから、勘違いしないでよね」

女性2人は強い口調で捲し立てる。

「あ!それはきっと、男友達と同じ感覚じゃないかな?」

○○はにこりと笑いながら口を開く。

○○の笑顔に怯む2人。

「それに、あの人ポートガス君でしょ?!」

「何?彼女なの?」

「え?うん」

○○は聞かれた事に答える。

「やっぱり!あの人頼めば誰とでも寝るんでしょ?」

「は?」

「そうよね?寂しい女なら丁度良いわよね」

女性達はクスクスと笑う。

「それを勘違いしたら、エース君も可哀想よ」

「ロー君もね」

キャハハと笑う2人。

「ねぇ、貴女たち」

○○は哀れむ様に2人を見る。

「なによ!その目!」

「エースはそんな人じゃないよ?ロー君だって」

○○は2人を見ながら言う。

「あ、あんたに何が解るのよ!」

「少なくても貴女たちより。私、自分の事言われても貴女たちの嫉妬が可愛いと思っただけだけど、さすがに好きな人や友達をそう見られるのは嫌」

○○は睨むでも微笑むでもなく、ただ、哀れむ様に2人を見る。

「なっ!」

「私たちは親切に!!」

「アハハハハ!!」

急な笑い声に3人はギョッと振り返る。
そこにいたのは今まで黙っていたボニーと呼ばれる美女。

「あんたらの負けだよ」

ボニーはニヤリと2人を見る。

「え?」

「なに?!」

2人は狼狽する。

「あんたらは私の事もブランドか何かと勘違いしてんだろ?」

ボニーはニヤリと笑う。

「な!なによ!」

「一人で寂しそうにしてたから!」

2人は怯みながらも声を出す。

「いらねーよ。さっさと失せな。私はこいつが良い」

ボニーは○○に歩み寄る。

「な、なによ!」

「行こう?」

2人は逃げるように去っていく。

「……ごめんね。せっかくの友達を」

○○はボニーを振り返る。

「良いよ。ちょっと飽きてたんだ」

ボニーはにかりと笑った。






「私、ジュエリー・ボニー。あんたは?」

「□□○○!宜しくね、ボニーちゃん!」

「あァ」

「じゃあ、行こうか?」

「そうだね」

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