17

土曜日、午前10時。
天気は申し分ない晴れ。

駅に集まったのは


「あ!おはよう、ロー君、シャチ君、ペンギン君!」

○○はお目当ての人を見付けて駆け寄る。

「………………おう」

思いきり、それは思いきり不機嫌そうにローは○○の後ろを見る。

「よう、ロー!」

対する上機嫌のエース。

「あー!トラ男じゃねーか!久し振りだな!」

ルフィがにししと笑いながら駆け寄る。

「おい、ルフィ!大人しくしろよ!」

それを追いかけてサボは注意する。

「あはは!予想を上回る集まりっぷり!」

シャチがケラケラと笑う。

「ふ、今日はのんびりとは行かなそうだな、キャプテン」

ペンギンも笑いながらローを見る。

「ちっ。行くぞ」

ローは舌打ちをする。

「なにで行くの?」

○○がローを見上げる。

「バスだ。専用のバスが出てる」

ローが顎で指すのを見れば、動物園行きのバスが停車中だった。

「へぇ!大学の近くに動物園があるなんて、知らなかった!」

○○はローに笑いかける。

「あァ、雰囲気が違うと思ったら、ずいぶん洒落た格好してるじゃねェか」

ローは目を細めて○○の格好を見る。

「え?あ!うん」

○○は照れながら服を掴む。
いつものボーイッシュな格好から、一転。
レギンスを履いていながらも、スカート姿の○○だ。

「へ、変かな?」

「いや、悪くない」

ローはニヤリと笑った。

「っ!あ、ありがとう」

○○は頬が赤くなるのを感じる。
やはり、異性に褒められるのに慣れていない○○は照れているのだ。

「おい、ロー。俺の彼女に近付くんじゃねェ」

不機嫌そうにエースは○○の腕を引く。

「ポートガス屋」

「何だよ?!」

「失せろ」

「あァん?!」

静かなローにエースが突っ掛かる。

「あの2人って意外と仲良し?」

○○がペンギンに聞く。

「あァ、キャプテンはエースを気に入っている」

「やっぱり」

ペンギンと○○はクスクスと笑い合った。

「ほら!早く行こうぜ!バスが出ちまう!」

シャチの声に皆反応し、バスに乗り込んだ。





「トナカイいねーかな?」

ルフィがルンルンと目を輝かす。

「トナカイか?どうだろうな」

サボがうーんと考える。

「ねぇ、どうして馬とか象には人は乗ったのにキリンには乗らなかったのかな?」

「は?」

○○の言葉にエースが間抜けな声を出す。

「ほら、マンガとかゲームとか、小説とか映画とかって、馬はもちろん、チーターとかライオンとかには乗るじゃない?キリンって聞かないじゃない?なんでかなーって」

○○は疑問を口にする。

「お前、変な事考えるな」

シャチが呆れながら声を出す。

「そう?疑問が研究の第一歩よ?」

○○はそう指を立てる。

「見れば分かる」

「え?」

ローの言葉に○○は不思議そうに聞き返す。

「キリンに乗らない理由だ」

ローはニヤリと笑った。

「え?ロー君は分かるの?」

「あァ。たぶんな」

「凄いね!」

○○は素直にローを褒める。

「待て、まだ答えも言ってない奴の事なんて褒めるな」

エースは不機嫌そうに言う。

「そう?」

○○は不思議そうにエースを見上げる。

「じゃあ、分かるのか?ポートガス屋」

ニヤリとローが笑う。

「……今、考えてる」

「そうか」

エースは口を尖らせ、ローはニヤリと笑った。

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