03

「……」

「……」

「……」

サッチを避けて裏路地へ入ると、路地の先に金髪の特徴的な少年がいた。

『あれって不死鳥よね?』

憂はこそりとシャンクスに話す。

『俺、あいつ殴りたい』

『なんで?!』

シャンクスの思いがけない言葉に憂は驚いた。

シャンクスはじとっと憂を見た。

『え?なによ?』

『別に』

憂の言葉にシャンクスは不機嫌そうにそっぽを向いた。

『まぁ、でも!最重要事項はアイス!』

憂がシャンクスに言う。

「ロジャーんとこの赤髪だねい?」

少し甲高い声が少年ーーマルコから聞こえた。

「だったらどうした!」

シャンクスがマルコを睨む。

「面倒だが、敵と遭遇とあらば……ってやつかよい」

マルコは面倒臭そうに首の後ろに手を当てた。

「逃げるわよ!」

憂がシャンクスの腕を引く。

「待てよい!!」


ーーボボボ


「っ!!」

マルコの声と共に聞こえた燃える音に憂が振り返る。

「逃がすかよい!」

「不死鳥!!!」

「っ?!」

「っ!!?」

不死鳥の姿になったマルコを憂が抱き抱えた。

「やっぱり綺麗!カッコイイ!!熱くない!!!」

「離せよい!!!」

マルコが不死鳥の鋭い爪で憂の腕を傷付ける。だが、憂は嬉しそうにマルコを抱き締める。

「良いなぁー!海に入れないのは辛いけど、こんなに素敵な姿になれるなら良いなぁ」

憂がマルコを優しく抱き締めると、いつの間にかマルコの爪を引っ込めた。

「おい、憂」

シャンクスが怒りながら憂に近付く。

「大丈夫だよ。ね!マルコ!」

憂はにこりと笑った。

「……お前ェは俺が怖くないのかよい」

不死鳥の姿のままマルコは憂の腕の中で小さく聞いた。

「なんで?こんなに綺麗じゃない!それに私は負けないわよ?」

にこりと憂が笑うとマルコの胸をズキュン!と貫いた。

「っ!!……言ってくれるよい!」

マルコはニヤリと笑った。

「おい!こら!ふざけんな!マルコ!離れろ!!」

シャンクスが憂に抱かれるマルコに手を伸ばす。

「ふん。文句ならこいつに言えよい」

マルコが憂を見る。

「憂で良いよ、マルコ!」

「そうかよい」

勝ち誇った顔でマルコはシャンクスを見た。

「ムカつくー!!!」

シャンクスは絶叫した。

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