01

「あちー……」

憂は空を見上げた。眩しすぎる太陽がこちらを睨んでいた。

「オーイ!憂!!」

「暑苦しいから寄らないで」

「酷いっ!」

ケラケラと笑いながら麦わら帽子のシャンクスが近付いて来た。

「なぁなぁ!これからデートしないか?」

「何が悲しくてこんなに暑い島でさっきまで大量の洗濯物と格闘していて疲れた私があんたとデートなんてしなくちゃいけないの?」

疲れたようにシャンクスを睨み上げる憂。

「この島の名物ってのが、アイスクリームをカチカチに氷らせてからかき氷みたいに削るんだってさ!」

「奢り?」

シャンクスの説明にぴくりと肩を震わせる憂。

「おう!その代わりデートだぞ」

シャンクスはニヤリと笑う。

「…………」

「そんなに悩むなよ!傷付くだろ!」

シャンクスは言いながらもケラケラと笑った。

「うーん。でも、まぁ!良いよ!アイス食べに行こう!」

憂はアイスの誘惑に負けて立ち上がった。

「よっしゃ!!!」

シャンクスは大きくガッツポーズを決めた。



「おー!2人共どこか行くのかー?」

この船オールジャクソン号の船長、ロジャーがシャンクスと憂の後ろ姿を見付けて声をかける。

「船長ー!!俺、憂とデートして来まーす!」

シャンクスは満面の笑みでロジャーに向かって手を振った。

「なっ何ィ?!嘘だろ?!」

ロジャーは憂の方へと視線を移す。

「……」

憂はロジャーからの度重なるセクハラに仕返しをしようと思い付いた。

「ふふ、ロジャー船長行ってきまーす」

憂はシャンクスの腕に自らの腕を絡め、シャンクスに恋人のように寄り添った。

「っ!!!?!!?!」

「っ!!!!!!!!」

ロジャーはそれを見て固まり、泡を吹きながら後ろへと倒れた。

「さ、行きましょ!シャンクス!」

真っ赤な顔のシャンクスを憂が甘えるようにその場から連れ出した。

「ロジャー、ここのログだが…………何してる?」

後から現れたレイリーに発見されるまで、ロジャーは甲板に転がっていた。








「あはははは!船長良い気味だわ!」

憂は笑いながらシャンクスを引っ張った。

「憂!!!」

シャンクスは顔を真っ赤にしたまま憂に抱き付いた。

「やっと!やっと俺の愛が!!!」

「触るな!ケダモノ!!」

「ぐはっ!!」

憂はシャンクスを蹴り倒した。

「え、えー?!憂?!」

シャンクスは驚いて憂を見上げた。

「まったく、調子に乗らないでよ!」

憂はジロリとシャンクスを睨み付ける。

「そ、そんなー!」

シャンクスは落ち込んだように頭を下げた。

「…………ほ、ほら!デート行くんでしょ?アイス食べに行こうよ!」

さすがにいじめ過ぎたかと、憂はシャンクスを見つめた。

「……そうだ!初めてのデート!負けるもんか!」

シャンクスは跳びながら立ち上がると気合いを入れ直した。

「そうそう!私の初デートなんだから、有り難く思ってよね!」

「おう!!」

憂とシャンクスは笑い合うと町の方へと歩き出した。

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