02

それから黎は全寮制の高校へ入り、ローとの約束を覚えていたが、手紙のやり取りしかしなかった。

専門学校生になった時に再会したローは背は高く、中学生の時とは比べ物にならないほど背が伸び、不機嫌そうな顔になっていた。


「ろ、ロー……君?」

3年振りに再会した黎は幼さのすっかり抜けたローを不思議そうに見上げた。

「あァ」

「うわー!久し振りだね!元気だった?!私も看護婦さん目指して看護学校入ったんだよ!」

黎は久し振りに会ったローに対して嬉しそうに声を出す。

「……行くぞ」

ローは黎の手を掴むとスタスタと歩き出した。









「黎と結婚します」

「…………」

「…………」

「…………」

黎の家に着くと、ローはそう両親に頭を下げた。

「え?!な、何言ってるの?!」

黎は驚いて声を出すが

「良いじゃない!ロー君なら任せられるわ」

母親はにこりと楽しそうに笑った。

「うーん。君達が良いなら僕は反対しないよ。おめでとう」

義父親は難しい顔をしながらも祝福をした。







「ろ、ロー君!どうしたの?突然?」

連れてこられたのはローの一人暮らしをするマンションだ。

「突然じゃねェ。家族になるんだって言ったろ?」

ローの言葉を聞いて黎はそうだったと思い出した。

「あれって姉弟になるって事だと思った!」

黎は驚いたままローを見た。

「そんな訳ねェよ」

ローは呆れたように笑った。

「そ、そうだったんだ……」

黎は小さく項垂れた。

「……嫌か?」

「え?…………」

いつも自信を持ち、不機嫌そうな顔のローが心なしか不安げに揺れた。

「黎は俺と結婚したくねェのか?」

ローは目を細めた。

「…………ううん」

黎はあまりにも切ないローの表情に首を横に振った。

「ロー君なら大丈夫」

黎がにこりと笑うと、ローは黎の頬に手を這わせ、ゆっくりと唇を重ねた。

「……逃げるな」

「に、逃げてないよ」

「……」

「た、ただ、緊張するじゃない?こう言うの」

黎は顔を赤くした。

「緊張しない訳ねェだろ」

ローの穏やかな笑顔に黎の心は鷲掴みされた。









それから数年、黎は看護学校を卒業し、一足先に病院勤めになった。

夜勤もある為、同じマンションに住んでいてもスレ違いの日々が続いた。



「あ!ロー!お帰り!」

黎はバタバタと出掛ける準備をした。

「……行くのか?」

ローは不機嫌そうに隈の濃くなった目を細めた。

「後30分くらいには出るよ」

黎は指差し確認で持ち物を確認した。

「っ!!」

突然手を引かれ寝室に連れていかれ、ベッドに投げ出された。

「へ?な、何?」

黎は驚いて自分を組敷くローを見上げた。

「足りねェ」

「え?」

「黎が足りねェ」

ローの声は低く、ぞくりと腹の下が疼いた。

「っ!ちょ!これから私仕事!」

「黙れ」

「っ!!!」

(めちゃくちゃ怖い!)と思いながら黎は自分の口を押さえた。

ローは余裕無さそうに黎の体に手を這わせた。

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