年下の彼1
署内バーベキューが開かれた。
警察と言うものは「早く結婚しろ」と言うのが暗黙的に囁かれる。
副所長主催の合コンが開催されたりする。
相手は保育士さんだったり、看護婦さんだったり。
要するに男の警察官は相手が紹介されるが、女性警察官はなかなか紹介すらされなかった。
「野菜も食べてくださいよー。あーあー、ヘルメッポくんたらデレデレじゃん」
○○は保育士さん相手にデレデレしている若手警察官に混じって肉や野菜を焼いていた。
「○○さんも行ってくれば良いじゃないですか!」
若手で彼女がいる男はこうして焼き手になる。
「女の私があそこに行ったら邪魔になるでしょ?」
○○は言いながら缶ビールを飲む。
「あはは」
男は乾いた笑いをした。
「なんじゃ!○○は行かないのか?」
「あ、ガープさん!お肉いかがですか?」
上司であるガープが来たのですかさず紙皿に肉を盛った。
「おォ!悪いな!」
にかりと笑う顔は年なのに若々しかった。
「どうだ?相手は見つかりそうか?」
ガープは肉を頬張りながら聞く。
「いいえ、ガープさんが若かったらドストライクなんですけどね」
「ぶわっはっはっ!!嬉しい事言ってくれるな!」
ガープは涙を流しながら笑った。
「誰かガープさんの知り合いで良い人いませんか?」
○○はクスクスと笑いながら聞く。
「うーん。ルフィはさすがに高校生だしのォ」
ガープは本気で首を傾げる。
「さすがに高校生は犯罪者になっちゃいますねぇー」
○○はぐびりと缶ビールを煽った。
「お!オォ!良いのがおる!今度会ってみるか?」
ガープはぽんっと手を叩いた。
「え?」
「少々年下だが良いじゃろう」
ガープはにかりと笑った。
「あ、まぁ、少しなら」
○○は頷いた。
「じゃあ、あいつの予定も聞いてみるわい!待っとれ!」
ガープは豪快に笑うとその場を離れた。
「ガープさんの知り合いなら警察官かなぁ?」
○○はあまり気にせずに肉を焼き続けた。