02

「あーー!!!シャンクスーー!!!!」

「おぅ、ルフィ!元気だったかっぷ!!」

大人の余裕を残し挨拶をしたら、男子中学生は体全身を使ってシャンクスに飛びかかり、喜びを表現した。
シャンクスは驚きながらも危なげ無くルフィを抱き止める。

「シャンクス、久し振り!」

「今日はシャンクスさん!」

ビシッと頭を下げるのは、ルフィの義兄のエースとにっこり微笑むルフィの義兄のサボ。

「おう!2人とも元気そうだな」

シャンクスはにかりと笑った。

「はい!」

「もちろん!」

サボとエースは同時に頷いた。

「そうか、良かった」

「エースなんかさー!彼女取っ替えひっかえでさーっ痛ェ!!!」

「余計な事言うな!!!」

屈託のない笑顔のルフィの頭にエースはげんこつを叩き込む。

「全く、隠さずにやるからだ」

「お前が上手くやり過ぎるんだ!!!」

サボの言葉にエースは顔を赤くして怒る。

「ハッハッハッ!!!まぁ、ガキの時はやんちゃもするもんさ」

「それが困るんじゃい!赤髪ィ!!!」

「が、ガープ……さん」

「「「じぃちゃん……」」」

少年3人の祖父のガープが近付いて来て、4人は冷や汗を垂らす。

「全く、悪の道に引き摺り込むな!!!こいつらは警察官になって平和を守るんじゃい!」

ガープは鼻息荒く笑った。

「嫌だ!」

「断る!」

「金にならん!」

ルフィ、エース、サボが口々に反論する。


ーーゴンッゴンッゴンッ!!!


「口答えするな!!!」

3人の少年達は頭に大きなたんこぶを作り、踞る。

「あはは……相変わらずですね」

シャンクスは乾いた笑いをする。

「そうじゃ、センゴクが呼んどったぞ」

「センゴクさんが?」

「大切な話があるとか無いとか」

「行ってみます」

シャンクスは会釈すると、ガープの元を離れた。



センゴクを見付けると、そこにはベックマンと鷹の目、マルコがいた。

「お疲れ様でした、センゴクさん」

シャンクスは引退への言葉を言いながら近付く。

「あァ、赤髪。良く来てくれた」

センゴクは笑顔で出迎える。

「所で、お前結婚は考えてるか?」

「…………は?」

思いもしないセンゴクの言葉にシャンクスは訳も解らず聞き返す。

「俺達も聞かれたよい」

マルコが呆れながら声を出す。

「で?何て答えたんだよ?」

シャンクスは3人をうかがう。

「面倒」

「相手がいたら」

「同じくよい」

鷹の目、ベックマン、マルコが答える。

「で?お前はどうだ?」

センゴクがシャンクスに聞く。

「うーん、考えた事も無かった」

シャンクスは答える。

「ほう?30も過ぎてか?」

センゴクが少し興味を持つ。

「ソウデスネ」

シャンクスは機械的に頷いた。

女は嫌いじゃない。むしろ好きだ。
だが、一人の女を愛すると言うのがいまいちわからない。

いや、分かるんだが、残念ながら「これだ!」と思う女に出会ってない。

「そういや、ドフラミゴの奴が結婚してたよな?」

シャンクスがふと、声を出す。
そう言えば今日はまだ姿を見ていない。

「あァ、奴は破局したよ」

センゴクが頷いた。

「だろうねい。あいつ、興味無くなると、すぐ捨てるからよい」

マルコが興味無さそうに呟く。

「……その女には執着していたと聞く」

鷹の目が静かに口を開く。

「え?あいつが?」

シャンクスが驚いて声を出す。

「俺も聞いたな、それ」

ベックマンも頷いた。

「…………まぁ、良い。今日は楽しんでいってくれ」

センゴクはそう言い残すとその場を立ち去った。

「何だったんだ?」

「さぁな」

ベックマンが静かに首を振った。





「ところでベックは相手はいないのか?」

「なんのだ?」

「しらばっくれるなって、女だよ!女!」

「…………誰かが仕事をちゃんとしてくれたら、そちらにかける時間も出てくるんだがな」

「おっ!ルフィ!ここに肉あるぞ!」

「本当か?!シャンクスーー!!」

「………………はぁ」

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