その後の時間5
それは雨の降る夜の日。
シャンクスは夜遅いが何とか帰って来る。
「お帰りなさい!」
「ただいま。いやー、凄ェ雨になったな」
○○の出迎えにシャンクスは苦笑した。
「本当に。運転大丈夫だった?」
○○は心配そうにシャンクスから鞄を受け取る。
「いやー、30メートル先見えねェしな。さすがにビビった」
シャンクスはあははと笑う。
「ぶ、無事で良かった」
○○は眉毛を八の字にする。
「あァ、心配かけて悪かったな」
「うん」
シャンクスは○○の頭をぽんぽんと叩く。
「取り合えずお風呂入って来たら?体、冷えてる」
○○はシャンクスの頬を撫でる。
思った以上に冷えていて驚く。
「一緒に入るか?」
シャンクスはニヤリと○○を抱き締める。
「っ!ご、ご飯用意して待ってるよ。お腹減ったでしょ?」
○○は顔を赤くしてシャンクスの胸を押す。
「あはは、顔真っ赤だな。久し振りに見たな」
ニヤニヤと楽しそうにシャンクスは○○に口付ける。
「もー!」
○○は真っ赤な顔で悔しそうにシャンクスを睨む。
「風呂入って来るよ。止まらなくなりそうだからな」
シャンクスはパッと○○から手を離す。
「い、行ってらっしゃい」
○○は手を振る。
雨は更に勢いを増す。
「こりゃ、雷も来るな」
シャンクスが本日の夕飯、ふろふき大根を口に入れながらポツリと呟いた。
「え………………」
○○は驚きながら窓の外を見る。
真っ暗な中に遠くの方に稲光が見えた。
「…………来ない……よね?」
○○はポツリと呟いた。
「あん?」
もしゃもしゃと食べるシャンクス。
「雷……」
「…………怖いのか?」
「……そ、そんな事は……」
シャンクスの言葉に○○は首を傾げる。
「そっか」
ニヤリと笑うシャンクス。
「ご馳走さん!そうだ。俺、これから仕事やるからちょっと部屋籠るな」
シャンクスはぺろりと夕飯を食べ終わる。
「…………」
○○は不安そうにシャンクスを見る。
「どうした?」
「う、ううん」
シャンクスは素知らぬ顔で聞く。
それに○○は首を振った。
「が、頑張ってね!」
「おう!なるべく早く終わらせるからな」
シャンクスは席を立つとよしよしと○○の頭をぽんぽんと撫でた。
ーーゴロゴロ
「…………」
ーーガラガラガラガシャーン!!!
「キャッ!!うう……」
一人、ベッドで布団にくるまり、○○は小さく悲鳴を上げた。
「もー!嫌!怖いよ」
○○は近くで鳴る雷の音と光に恐怖を抱いていた。
「…………し、仕事の邪魔しなければ良いかな?」
○○は恐怖に負け、シャンクスの仕事部屋に向かう。
ーーコンコン
小さくノックする。
「ん?どうした?」
シャンクスがドアを開ける。
「ご、ごめんね、お仕事中に」
○○は毛布に身をくるんでいた。
「あ、あの。邪魔しないから、一緒にいても良い?」
○○の可愛らしい言葉にシャンクスはクラリと頭を回す。
「あー、良いよ。まだ、終わってないが」
シャンクスは○○を部屋の中に招き入れる。
シャンクスが机に向かったのを確認してから、窓から遠い壁に凭れて座る。
○○は毛布にくるまり、シャンクスを視界に入れるとホッとする。
ーーガラガラガラ!!!
「キャッ!!」
大きな雷の音に○○は小さく悲鳴を上げる。
「大丈夫か?」
クスクスとシャンクスが笑う。
「ご、ごめんね」
○○は半泣きでシャンクスを見上げる。
ーーゴロゴロ!!
「あー!もー!」
○○は耳を押さえて叫ぶ。
その様子にシャンクスは楽しそうに喉を鳴らす。
シャンクスは丸まる○○を抱き抱える。
「へ?シャンクス?」
シャンクスはそのまま部屋を出て、寝室へ向かう。
「あ、あの、お仕事は?」
「もう、良い」
シャンクスはニヤリと笑うとベッドに○○を押し倒す。
ーーガラガラガラ!!!
「キャッ!!」
○○はシャンクスの首に手を回し、抱き付く。
「怖くない様にしてやるからな」
シャンクスはニヤリと笑うと○○に口付ける。
「んん……」
「ほら、もう雷、気にならない、だろ?」
「……やっぱり気付いてたでしょ?最初から」
「ん?」
「……意地悪」
「ごめん、ごめん。あまりにも反応が可愛くてな」
「か、からかわないでください」
(可愛いなぁ)
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