その後の時間3
ある日の休日。
○○はシャンクスの淹れた珈琲を飲み終わると、洗濯や掃除をしていた。
シャンクスは珈琲を飲みながらテレビをぼーっと見ていた。
『街にはイクメンが溢れていました!』
(そういや、休日のホームセンターにガキ連れた男をよく見るよなぁ)
シャンクスはテレビに映るイクメン特集を何となく見ていた。
(俺もガキの一人や二人いてもおかしくない歳だもんな)
シャンクスはそう思いながら思い浮かべるのはルフィ、エース、サボの3兄弟。
(男は大変だよな)
ずずーっと珈琲をすする。
シャンクスはふと○○を視線の端にとらえ、そちらを向く。
(○○のガキの時ってどんなだろう?)
シャンクスはベランダで洗濯物を干す○○を見る。
「へ?私の子供の時の写真?」
○○は不思議そうにシャンクスを見る。
「あァ、あるか?」
「はい、ちょっと待ってね」
○○は自分の部屋に入る。
シャンクスとちゃんとした夫婦になってから、一度実家を整理している。
そこで、古いアルバムなども持ってきたのだ。
「ありました!」
○○は大きなアルバムをシャンクスの前に置く。
よく見る布張りのアルバムは写真一枚一枚にコメントが書かれていた。
きっと○○の亡き母が書いたものだろう。
「お、これか」
シャンクスは産まれたばかりの○○を見る。
「可愛いな」
「ふふ、まだ赤ちゃんだもん」
○○はクスクスと笑う。
赤ちゃんの○○を抱くのは今の彼女と同じくらいの彼女に良く似た女性。
「……お母さん、に良く似てるな」
シャンクスは見た事のない彼女の母を見る。
「うん。よく言われた」
○○は懐かしそうに、寂しそうに、そして、嬉しそうに頷いた。
「お母さん、○○くらいの時か?」
シャンクスは写真から目を離して○○を見る。
「え?あーっと、うん!そう。たぶん、来年が丁度私を産んだ歳にるのかな?」
○○は指を数えながら言う。
「お母さんとお父さんにシャンクスを見せてあげたかったな」
○○は少し寂しそうに笑いながら、写真に映る若い両親をそっと指で撫でた。
「よし!」
「ん?」
突然声をあげたシャンクスを不思議そうに見る。
「子供作ろう!」
「へ?」
シャンクスはにかりと笑った。
「俺みたいな子供が出来たら大変そうだが、○○みたいな可愛い女の子は欲しい!」
「え?あの」
「俺だって良い歳だからな。そろそろ考えないと」
「いや、あの」
「よし!思い立ったら吉日って言うしな!」
シャンクスは○○を抱き抱える。
「あの、シャンクス?」
「ん?」
○○は不安そうにシャンクスを見上げる。
「一応聞くけど、こんな良いお天気の朝から何する気?」
「そりゃ!子作りに決まってんだろ!」
シャンクスはにかりと笑った。
「き、今日は買い物とか色々」
「却下!」
「えぇ?!」
シャンクスは寝室へのドアを器用に開ける。
「嫌か?」
シャンクスは真剣な顔をする。
「俺は○○とのガキが欲しい」
真剣な声でシャンクス声を出す。
「……そ、そりゃ、私だってシャンクスとの子供が欲しいけど……」
○○は頬を染めながら小さく呟く。
「よし!頑張るぞ!」
「が、頑張るの?」
シャンクスは○○を抱えたまま嬉しそうに寝室へ消えて行った。
「○○!可愛い子を産んでくれよ」
「気が早い」
「野球とサッカーどっちが良い?」
「??」
「人数的に」
「テニスでお願いします」
「審判入れて6人か……」
「多い!」
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