エピローグ
「ん……」
ソファーに押し倒す形でシャンクスは○○の上に乗り、口付けに酔いしれていた。
もっと、もっと、深く
「あっ……ん、シャンクス……さん」
艶っぽい○○の声にシャンクスは我に返る。
「っ!!悪い」
シャンクスはすぐさま○○の上から退くと、ソファーを背凭れ代わりにして、ローテーブルとの間に座り込む。
そして、両手で顔を押さえ、大きく息を吐く。
「あ、あの!すみません!」
○○はわたわたと謝る。
「は?」
シャンクスは何だと○○をチラリと見上げる。
「あの、私、キスなんて本当に久し振りだったので、しかも慣れてないので、至らない点があったとは思いますが!!」
○○は今にも泣きそうな声で弁解をする。
どうやらシャンクスが急に止めたのは自分が何かしてしまったのだと思い当たった様だ。
「え?いや!違う!すげー、気持ち良くて、だな。その、止まらない……」
シャンクスは困った様に頭をかく。
綺麗な赤髪が揺れた。
「ってか、キス慣れてないのか?」
確かに戸惑った感はあったがとシャンクスは不思議そうに尋ねる。
「………………結婚生活では無かったので……」
物のように扱われていた為、ドフラミンゴが口付ける事をしなかったからである。
「……そうか」
また、余計な事を聞いたと思った。
「あ、あの、その、だから、馴れれば私もきっと上手くなるので」
○○は困った顔でシャンクスを見る。
「そうか。そうだな。じゃあ、練習あるのみか?」
シャンクスはまたソファーの上に座る。
「ただし、俺との実戦練習しか認めないぜ?」
シャンクスはニヤリと笑う。
「っ!!は、はい!!!」
○○は照れながらも頷いた。
エースの退院日は平日の午前中に行われる事となり、ルフィ、サボは学校。ガープは仕事との事で、○○とシャンクスが手伝いに行く事になった。
「すみません、シャンクスさんまで休んでいただいて」
○○は隣のシャンクスをそっと見上げる。
「いや、エースの怪我も○○を守る為だ。なら、夫である俺が手伝うのは当然だろ?」
シャンクスはニヤリと笑った。
「……シャンクスさん」
○○は照れる様に顔を赤くする。
今まではシャンクスの「俺の奥さん」「夫」発言はただの役職名みたいなもので、特に気にしていなかったが、両思いになった今は何となく気恥ずかしかった。
「エース君、迎えに来たよ」
○○が病室に入ると既に荷造りの済んだエースがいた。
「おう!ありがとうな、○○」
エースがにかりと笑った。
エースの怪我もすっかり良くなっていた。
「運ぶの手伝うよ」
シャンクスが前に出る。
「おぅ、じゃあ、これな」
エースがマンガの入った紙袋を渡す。
「懐かしいな。これ、俺も昔読んだ」
「どれですか?」
「これ。知ってるか?」
「ううん、知らないです」
「昔の名作。今の高校生も読むんだな」
「読んでみたいです」
「なら、今度買ってやる。俺もたまに読みたくなる」
「本当ですか?ありがとう!」
「あァ」
よしよしとシャンクスは○○を撫でる。
その撫で方がいつより愛しそうな事にエースは気付く。
「………………お前ら、くっ付いたのか?」
エースはシャンクスを睨むように見る。
「え?あ?」
「あァ」
戸惑う○○に対し、シャンクスはにこりと頷いた。
「○○、シャンクスはマジで苦労するぞ?」
エースは拗ねた様に口を尖らせた。
「…………そうかな?」
○○は何回言われただろうと、少し不安になる。
「まァ良いや。俺が結婚出来る様になるまで、せいぜい他の悪い虫を付けないでくれよな?」
ニヤリとエースはシャンクスに笑う。
「フッ、お前にだって渡す気はないさ」
シャンクスもニヤリと笑った。
(終)
「ベックマン!俺は帰るぞ!!」
「ダメだ、社長。ちゃんと仕事を終わらせろ」
「んな事言っても、今日はあいつら3兄弟が家に遊びに来てんだよ!」
「あいつらならちゃんと待ってるだろう」
「じゃなくて、エースもいるんだぞ!」
「…………20近く離れたガキに対して余裕が無いな」
「ねェよ!!お前、あの年頃のガツガツ感!覚えあるだろ?!」
「………………なら、とっとと、仕事終わらせろ」
「っ!!クソッ!!!」
(完)
***
ありがとうございました!!
これにてシャンクス現パロ編終了でございます!!!
好きなキャラを詰め込んだ形になりました!
○○様!!
ここまで読んでいただいて、本当にありがとうございました!!!
次はまた「幸せの時間」続編でお会いしましょう!!
お相手はもちろん、あの方!!
お楽しみに…………していただけたら幸いです(前向きネガティブ)
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[mokuji]
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