27

ドフラミンゴに拐われてから、1ヶ月が過ぎた。

○○はシャンクスと楽しく平和な時間を過ごしていた。が、シャンクスはドフラミンゴを出し抜くために、会社を立ち上げるタイミングを早めた為、忙しい日々を送っていた。

ほぼ、寝る為だけに家に帰り、2人で食事をする時間も取れず、酷い時は会社に何泊も缶詰になる時もある程だった。

○○はそれでも恋心を抱くシャンクスと生活を共に出来る喜びを噛み締めていた。



「エース君。どう?」

「いい加減、飽きた」

病室に入ると、エースはルフィの持ってきた漫画を読んでいた。
サボの持ってきた学校の宿題をやっている所は見た事が無かった。

「そう、言わないでよ!肋骨とかも骨折してたんでしょ?」

○○は心配そうにベッドの横の椅子に腰かける。

「あァ、後から痛みが出てきたな。あの時は必死だったから」

エースはニヤリと笑う。

「……ごめんね」

○○はその度にエースに謝罪する。

「気にすんなよ。それより、どうすんだ?これから」

エースは○○に向き直る。

エースはドフラミンゴに一緒に拐われ、事情を知られてしまった。
しかも、○○の事を知った上で尚も好きだと告げて来たので、シャンクスとの関係が偽りの夫婦だと言う事も言った。
そして、○○がシャンクスの事を好きな事も言ってある。

「どうって?」

○○は不思議そうにエースを見る。

「いや、○○があいつから逃げる為にセンゴクのジジィがシャンクスと結婚させたんだろ?なら、もう結婚し続ける意味は無ーんじゃねーか?」

「っ!そ、そうだけど……」

エースの言葉は事実だった。
もう、ドフラミンゴから逃げなくて良くなった今、シャンクスが○○と暮らしているのは婚姻届と言う薄い紙一枚だ。

「俺ん所来いよ。ルフィもサボもガープのジジィもいる」

「……エースはまだ高校生の未成年じゃない」

「結婚してくれ」

「まだ17歳じゃない」

「早生まれなだけだ」

「それに、8歳も離れてるじゃない!」

「シャンクスとはもっと離れてる癖に」

「う……」

エースは痛い所を突いてくる。

「解ってるの。シャンクスさんにとって私は女として見られて無いし、相手にされないのも知ってるけど……」

「……」

「それでも側にいたいの……。それって変、かな?」

○○はエースを見る。

「……はぁ。俺も同じなんだけどな」

エースは苦笑いを浮かべる。

「まァ、良いや。まだ結婚出来る年にならねーし。シャンクスが振り向くとも限らない」

「う……」

「俺はまだ諦めねーからな!覚悟しとけ」

エースはニヤリと楽しそうに笑った。

「……ありがとう、エース君」

○○は嬉しそうに笑った。

「おう!」

「それはそうと、ちゃんと宿題やったの?」

○○は宿題のノートに手を伸ばす。

「ぜんぜん!」

「威張らない!もー、知らないよ?留年しても」

○○は宿題の内容を見る。見事なまでに真っ白だ。

「別に留年しても困らねーよ」

エースは眉間にシワを寄せながら言う。

「…………高校生と付き合うのは有り得ないなー」

「っ!!」

「しかも、留年とかないわ」

「……」

「大学って楽しいんだよ?知らないの?」

「……」

「年下の男の子とキャンパス歩いてみたいな」

「ッ!!!」

「あ、身近な所でサボくん」

「貸せ!宿題くらい余裕だ!こう見えて成績は結構良いんだぞ!」

エースは○○から宿題を奪い取り、ペンを走らせる。

「ふふ、頑張ってね」

○○はその様子を楽しそうに見ていた。

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