23
※暗いです。血が出ます。苦手な人は回れ右。
冷たく硬い所に寝かされていたのか、○○は起きると体がいたかった。
「……ここは……エース君!!!」
暗く冷たい部屋には○○とエースが寝かされていた。
○○は何も縛られていないが、エースは後ろで手を縛られ、足も縄で縛られ、猿轡までされていた。
○○は慌てて口を縛る布を取ると、揺する。
「エース君!エース君!」
「ん……」
小さく洩らす声にホッとして、手を縛っている縄をほどこうと奮闘するが、特殊な結び目のせいでどうやって取るのかが全く解らない。
○○は焦っていた。
この状況は良くない。
(まさか、エース君まで連れて来られるなんて……)
○○は何故シャンクスの言われた通りにしなかったのか、悔やんでも悔やみきれなかった。
「……○○……。大丈夫か?」
エースが目を覚まし、辛そうな声で聞く。
「私は大丈夫だよ!ごめんね、エース君」
○○は泣きそうになる事を懸命に堪え、エースの体を起こす事を手伝う。
「何、謝ってんだよ」
エースは苦笑する。
「とにかくここを出ねー事にはな」
エースはぽつりと呟いて部屋を見渡す。
ドアはふたつ。
左右両側に付いていた。
ーーガチャッ
「っ!!」
「……っ…」
ドアの開く音がして、○○は恐る恐るそちらに目をやる。
「フッフッフッ……!!お目覚めかい?」
2人の男の後に現れたのが、やはり○○の元夫であるドフラミンゴであった。
「……何で」
「フッフッフッ……。お前が逃げるからだろ?○○チャン」
相変わらず色の濃いサングラスのせいで表情は読み取れないが、口ものだけは三日月の様に笑っている。
「っ!!なら、エース君は関係ないじゃない!それに私はもうシャンクスさんと!」
「俺を騙しきれてねェなァ?お前、あいつに抱かれてないだろ?」
「っ!」
刺すような視線を感じ、○○の体が震える。
「他の男の手垢が付いて無いんじゃ、俺のモンだろ?」
ニヤニヤと楽しそうに笑う、ドフラミンゴ。
「そ、そんな事」
「へんっ!○○はお前のモンでもシャンクスのモンでもねーよ!」
エースが笑いながら言う。
「あァ?!」
ドフラミンゴはエースを見る。
「俺のモンだ!!!」
「ちょっ、エースっ!!」
○○が困った様に声を荒くする。
と、エースはそのまま○○の唇を奪うように口付ける。
「んん!」
「っはっ!な?」
ニヤリと笑うエースをドフラミンゴの長い足が蹴り飛ばす。
「エース君!!!何するの?!」
○○は飛ばされたエースに駆け寄ろうとして、他の男に止められる。
「お前、人の女に舐めたことすんなよ?」
ドフラミンゴがエースの髪を引っ張り持ち上げる。
「へっ、お前何かより○○の事を愛せるのは俺だ。っ!!」
エースの強気の言葉にドフラミンゴはエースを床に叩き付け、足で頭を踏みつける。
「っ!!!止めて!!!」
○○は男の手を振りほどこうと必死にもがく。
「フッフッフッ!!!俺は生憎○○の唇に興味はねー。あるのは体だけだ。だが、目の前であんな事されて、嫉妬しない訳は無いぜ?」
ニヤリとエースを踏んだまま○○を見る。
「っ!!」
○○は恐怖で体が揺れる。
「お前以外の女はつまらねー。そうだな。取り合えずその口でしろ」
「っ!!」
ドフラミンゴの言葉に○○は冷たく嫌な汗が背中に流れる。
「誰がテメェなんかの!っ!」
「エース君!!!」
口を開くエースをドフラミンゴが勢い良く踏みつける。
「どうする?」
ドフラミンゴはニヤリと笑う。
「……………………分かった」
「○○!!!」
「でも、ここは嫌」
○○はドフラミンゴを見上げる。
「そうだな。それくらいの願いは叶えてやろう」
ドフラミンゴは入ってきたのとは逆のドアを開ける。
特に何もない部屋で、硬いソファーがひとつ置いてある。
ドフラミンゴはドアを開けたままで、隣の部屋の人間からは見えないソファーに座る。
「フッフッフッ……!!やり方は解るな?」
「………………」
○○はドフラミンゴの座った足の間に体を入れ、地面に両膝を立てる。
「○○!!止めろっ!!」
ドカッと言う音が聞こえる。
「エース君に手を出さないで!!!」
「それはお前のやり方次第だ」
ドフラミンゴは冷たい笑みで○○を見下ろした。
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