19
「お!ようマルコ、うちに来ねェか?」
シャンクスは特徴的なパイナップルヘアのマルコに話し掛ける。
「うるせェよい!!!お前は見かける度にいつもいつも……」
マルコは眉間にシワを寄せて言う。
「お、赤髪じゃねーか!やや?そこのお嬢さんは?」
近くにいたサッチが素早く近付いて来た。
「あァ、紹介しとくな。俺の奥さん」
シャンクスはぽんと○○の背中を押した。
「初めまして、○○と申します。宜しくお願いします」
ぺこりと頭を下げる○○。
「「……」」
固まるサッチとマルコ。
「……結婚してたのかい?」
先に我を取り戻したマルコは不思議そうにシャンクスと○○を見比べる。
「あァ、良いだろ?」
シャンクスは冗談を言うように軽く笑う。
「へぇ!赤髪がね!」
サッチが楽しそうに笑った。
「おーい!マルコー!サッチー!」
遠くからエースが走ってくる。
「あれ?シャンクスに○○!」
「こんにちは、エース君」
「おう!」
エースと○○はほのぼのと挨拶を交わす。
「知り合いかい?」
マルコがエースを見る。
「おう!友達だ!な?」
「はい」
エースの言葉に○○はにこにこと笑った。
「こいつら仲良いんだよ。妬けるよな」
シャンクスはがははと笑う。
「当たり前だろ?○○はとっととシャンクスに飽きて俺の所にくれば良いんだよ」
エースはにかりと笑う。
「これだよ。俺の立場ねぇじゃねーか」
シャンクスはそう言いながらも楽しそうに笑った。
「エース人妻狙いかよ?」
サッチがケラケラと笑う。
「おう!」
エースは悪びれた様子も無く楽しそうに頷く。
「何なら、奪い取っちまえば良いんだよい」
マルコは事も無げに言う。
「っ!なるほど!さすがマルコ!!」
エースは目から鱗が出た。
「いやいや、何言ってんだよ」
シャンクスがおかしそうに笑う。
「○○」
「へ?」
話に付いていけていない○○はエースを戸惑いながら見上げる。
「俺のモンになっちまえ」
「っ!年下にからかわれた!」
真面目なエースの顔と声に不覚にも顔を真っ赤にしてしまった○○がそう声を出した。
「俺は本気で」
「おい、エース。人の奥さん口説くのは止めろよな」
エースのむきになる声にシャンクスが苦笑混じりで止める。
困っている○○を助けるのも現夫の自分の役目だろうとシャンクスは助けに入る。
「○○、こんなオッサンより俺は若いぞ?」
「真面目な顔でひでぇな!」
エースの言葉にシャンクスは吹き出した。
「ほら、エース。口説くなら赤髪がいない所でしろよい」
マルコが呆れながら声を出す。
「そうだな」
エースはニヤリと笑う。
「あらら、○○ちゃん、変なのに好かれやすいのね」
サッチが楽しそうに笑った。
「…………そうですね」
○○は困った顔をして笑った。
「そう言えばエースは何してるの?今日はルフィくんとサボくんはいないのね」
○○がエースを見上げる。
「あァ、俺はバイト中。こいつらは仕事仲間。まァ、下手な社員より出来るけどな、俺は」
ふふんとエースは笑った。
「ノリノリだな、エースの奴」
「まァ、実際あいつは良くやってるよい」
サッチとマルコが頷く。
「そっか、お仕事中なんだ。ごめんね?邪魔しちゃって」
○○が慌てて口を開く。
「え?いや!そんな事ねーけど」
「だな。邪魔にならねー様に俺らは行くぞ」
シャンクスが自然な動作で○○の肩を抱いて促す。
「う!あ、はい。またね、エースくん!マルコさん、サッチさん、失礼します」
○○エースにひらひらと手を振り、マルコとサッチには頭を下げた。
「……ありゃ、無理かもな」
「そんな事ねーって!」
「どうだかよい」
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