13
「ふがふがふが!!!」
「あっ!ルフィ!!それ俺の肉!!!」
「すみませーん!肉追加!!!」
「ついでにビールも!!!」
「………………」
○○はその食事風景にただただ呆然とするだけだ。
「○○ばべばいのが?!」
ルフィが口に肉をいっぱい詰め込んで口を開く。
「……え?あ、食べてるよ。うん」
○○は何とか声を出す。
(人間って頬袋出来たっけ?)
○○は不思議そうにルフィを見る。
やって来たのは焼肉食べ放題。
オーダー式の店の様で、先程から店員さんがいったり来たりで大変そうだ。
「お前は肉だけじゃなくて野菜も食え!」
エースがルフィの皿にピーマンや椎茸も置いていく。
「肉ぅぅうう!!!!」
ルフィは野菜もろとも肉を食べていく。
「おっ!肉来たぞー!」
シャンクスが肉の皿と一緒にビールジョッキを受けとる。
「シャンクスさん、また飲み過ぎて気持ち悪くなるよ?」
「固い事言うなって!」
高校生に注意される30過ぎ男。
「ほら!○○も食え」
シャンクスが肉を確保すると○○の皿に乗せる。
「野菜もな」
エースも○○の皿に野菜を乗せた。
「ふふ」
「ん?」
「あはは!くぷぷっ!っははは!!」
急に○○が堪えられなくなったのか、涙を流しながら笑い始める。
「「「「「え?」」」」」
4人の男達はぎょっとした様に○○を見た。
「ごめ、ごめんなさい!ぷぷ!こ、こんなに楽しい食事!!ぷふ!久し振りで!!」
○○は笑いながら弁解を始める。
「普通じゃねーか?○○は変な奴だな!」
ルフィが当たり前の様な顔をする。
「うん!変ね、私!ぷふっ!」
○○はまだ楽しそうに笑う。
「でも笑った顔のが俺は好きだ!」
ルフィが満面の笑みで言う。
「ありがとう、ルフィ」
○○は今までのどこか影のある笑顔ではなく、本当に嬉しそうに笑った。
「あ!俺もその顔のが好きだ!」
「俺も!!」
エースの言葉にサボが続く。
「あァ、俺もだ」
シャンクスも優しい笑顔を向けた。
「っ!!か、からかわないで下さい!」
○○が顔を赤くして注意されている事に耐える。
「あ!○○!照れてる!」
ルフィがにししと笑う。
「もー!ルフィ君!!」
○○はルフィを見る。
「でも本当に楽しい!私、結婚相手がシャンクスさんで良かったです」
○○はにこりと笑う。
「それを言うのはまだ早いかも知れないよ?」
サボがすかさず突っ込む。
「酷いな」
シャンクスが苦笑いをする。
「ううん。そんな事ないよ。こんなに楽しい食事が出来るなんて、ルフィ君やエース君、サボ君に会えたのだって、やっぱりシャンクスさんじゃなきゃ無理だったもの」
○○は噛み締める様に言う。
「○○……。お前が俺の奥さんでいる間は楽しい思いさせてやるからな」
シャンクスは穏やかな笑顔で○○を見る。
「っ!はい!ありがとうございます!!」
○○は嬉しそうに頷いた。
「いやいや○○さん!シャンクスさんを選ぶならエースの方が良いよ!な?」
サボがニヤニヤとエースを見る。
「なっ!!そうだな。シャンクスに飽きたらいつでも来な?」
エースは一瞬怒った顔をするが、思い直しニヤリと笑った。
「飽き……」
「ふふ、ありがとう」
○○は楽しそうに笑った。
[ 15/39 ][*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]