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「あー!満腹!!」
シャンクスは上機嫌でラーメン屋を出た。
「美味しかったです!」
○○もにこにこと楽しそうに笑った。
「だろ?あいつ、口は悪いけど、腕は確かだからな」
シャンクスはバギーを思い浮かべた。
「クスクス」
「ん?どうした?」
笑い出した○○を不思議そうにシャンクスが覗き込む。
「いえ、シャンクスがバギーさんと楽しそうに話してたのを思い出して」
○○はクスクスと笑う。
「あァ、バギーとは小学校から一緒でさ!一番長い付き合いなんだよ」
シャンクスが説明する。
「なるほど」
○○は楽しそうに頷いた。
「シャンクスさん、とても可愛かったです」
「可愛いってあのな……こんなオッサンに」
○○の言葉にシャンクスはため息をついた。
車を駐車場に入れ、シャンクス達は車から降りる。
「本屋さんですか?」
○○が建物を見上げる。
「あァ、仕事に使う本をな。行こう」
「はい」
2人は並んで本屋に入る。
「本は好きか?」
「え?はい。本屋さんも久し振りです!」
「そうか。なら、好きな所見て良いぞ」
「えっと……」
シャンクスの言葉に○○は少し迷う。
やはり、知らない所で一人になるのは怖い。
「お邪魔でなければ、一緒にいて良いですか?」
「っ!」
下から覗き込む様な○○の可愛らしい聞き方にシャンクスは喉を鳴らす。
「あ、迷惑でしたか?っ!それとも、ああ言う本を……」
チラリと見た先は所謂エロ本。
「いや!違う違う!ただ、つまらないジャンルだからな」
シャンクスが慌てて否定する。
「それなら……」
「よし、ならこっちだ」
「危ない危ない」と言いながらシャンクスは○○を連れて専門書関係に行く。
分厚い洋書や、数式だらけの本。
目が飛び出る値段の本。専門書がたくさんあった。
「ここさ、結構マニアックな本が多くてさ」
シャンクスは楽しそうに○○に説明する。
「大学の図書館みたいですね」
○○は小声でシャンクスに笑いかける。
「そうだな。そんな感じだ」
シャンクスは頷いた。
しばらくシャンクスと並んで本を眺めていると。
「あーー!!!シャンクスだぁ!!!」
と言う少年の声が聞こえた。
○○は出所を探ろうと振り返ると既に少年はシャンクスに抱き付いていた。
「っと!!ルフィ、本屋では静かにしろよ」
危なげ無くシャンクスはルフィを抱き止める。
「おぅ!!」
ルフィは大声で頷いた。
「何してんだ?」
「本を見てたんだ。ルフィは?」
「俺か?俺はエースとサボと待ち合わせだ」
「お!あの2人も来るのか?」
「おう!!」
ルフィはしししと笑う。
「おーい、ルフィー!」
「あれ?シャンクスさん」
エースとサボがルフィを探してやって来た。
「よう、2人共!」
シャンクスは嬉しそうに現れた少年2人にも手を挙げる。
「「こんにちは!」」
兄二人は礼儀正しく挨拶をする。
「30過ぎたオッサンが平日昼間から一人で本屋って寂しいですね」
サボがにっこりと笑う。
「ひでェ言われようだな。ふふ、だが!一人じゃないんだな!紹介するよ、俺の奥さんだ」
シャンクスはちょっと離れて見ていた○○を呼ぶ。
「あ、○○です。宜しくお願いします」
○○は少年3人にぺこりと頭を下げる。
「「「………………え?」」」
3人は同じ様な呆けた顔をする。
「○○、こいつらは俺の友達でルフィ、その兄のエースとサボだ」
シャンクスはにっこりと3人を紹介する。
「おぉ!!!シャンクスのお嫁さんって事か?俺はルフィ!宜しくな!」
ルフィはにかりと笑った。
手を差し出したので、少し躊躇したが、子供だから大丈夫だろうと手を握り返す。
「宜しくなね、ルフィ君」
○○はにっこりと笑う。
「シャンクス、どう見ても一般人だぞ!大丈夫なのか?!」
エースが焦った様に声を出す。
「お前、失礼だぞ」
とシャンクスは笑った。
「俺はエースだ。宜しく」
エースはぺこりと礼儀正しく頭を下げた。
「これは、ご丁寧に」
○○も頭を下げる。
「俺はサボだ。宜しく頼む。しかし、シャンクスさんの奥さんとか大変そうだね」
サボはにっこりと笑う。
「え?そ、そうかな?」
○○は困った様に笑った。
「○○!ここつまんねーから、マンガ見に行こう!マンガ!!」
ルフィは○○を気に入ったのかぐいぐいと手を引く。
「マンガ?」
○○はチラリとシャンクスを見る。
シャンクスは「行ってこい」と手を振った。
「うん、良いよ」
○○はにこりと笑うとルフィに手を引かれるままに付いていく。
「エース!サボ!行こう!」
「おう!」
「俺はもう少しここで見ていく」
エースは頷き、サボは専門書に手を出した。
「わかったー!」
ルフィは○○とエースを引き連れて移動した。
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