02

初めはびくびくとしていた憂だったが、時間が経つにつれ友達も増え、担任であるシャンクスにも慣れてきた。

「じゃあエース次読め」

現国の時間、シャンクスがエースを指した。

「あ、やべ、教科書ねェや」

エースは机の中をごそごそと探し出した。

「お前なぁ、授業の支度は始まる前にしろよ。小学生でも出来るだろ?」

シャンクスは呆れながらエースを見る。

「だよな。悪ィ見せて」

エースは隣の席の憂に机をくっ付けた。

「え?うん」

憂はおどおどしながらも仕方なくくっ付けた机の真ん中に教科書を置いた。

「で?どこから読むんだ?」

エースはシャンクスを見た。

「つぎー、□□ー」

シャンクスは呆れながら憂を指した。









「ナミのお弁当鮮やか!なにこれ?」

昼休みに一緒に弁当を囲むナミの弁当を見た。

「ふふん!でしょ?みかんソースなの!食べる?」

ナミはにこりと弁当を差し出した。

「え?良いの?」

憂は目を輝かせた。

「その代わり、その海老フライと玉子焼きちょうだい!」

ナミはにやりと笑った。

「…………やっぱいい」

憂は残念そうに体を引く。

「ふふ、冗談!海老フライで手を打ちましょう!」

ナミはにこりと笑った。

「やった!美味しそう!」

憂はおかずを交換した。

「じゃあ玉子焼き貰うぞ」

「え?あ!」

後ろから突然声がして、にゅっと手が伸びると憂の玉子焼きを取った。

「御馳走様です」

エースはもぐもぐと口を動かしながら丁寧に頭を下げた。

「え?あ、お粗末様です?」

憂は唖然としながらエースを見た。

「あんたねェ、ただで憂の玉子焼きを貰う気?」

ナミがエースを睨み付ける。

「え?あー、じゃあこれな」

エースはポケットを探してチョコをひとつ取り出した。

「え?あ、ありがとう」

憂はエースからチョコを受け取った。

「ほら、食え!」

「うん」

エースに促され、銀紙を取ってチョコを口に入れた。

「…………っ!!!」

憂は口を押さえて慌てるように教室を出て流しを目指した。

「あははははは!!!!それ、チョコの癖にメチャクチャ辛いだろ!?」

エースは腹を抱えて大笑いをした。

「ったく、もー」

ナミは呆れたようにエースを半目で見た。

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