01

憧れの女子高生!

私の胸は期待と少しの不安で溢れていた。


しかし、そう!入学式の時に期待は不安へと変貌を遂げた。









「私ナミ!宜しくね!」

入学式で隣の席になった美少女が憂へと話し掛けた。

「わ、私憂!宜しく!」

憂は緊張しながら自己紹介をした。

「ぐーぐーぐー」

「隣の奴、気を付けた方が良いわよ」

ナミがこそこそと憂に耳打ちする。

「え?」

先程からイビキが聞こえてはいた。ちらりとそちらを見ると、癖のある黒髪にそばかすの男が椅子に座って寝ていた。

「そいつの弟と友達なんだけど、厄介!あんまり近寄らない事ね!」

ナミはにやりと笑った。

「…………」

憂は小さく頷いた。



入学式が始まり、校長やお偉い人達の長い話が終わると担任発表となった。

「ふーん、何て言うか……」

ナミは担任の面々を見て顔をしかめる。

周りの女子生徒も「オヤジばっかりー」「顔に傷とかヤクザ?」「他の先生も怖くない?」とガッカリした様子だった。

それはそうだ。
堂々と煙草を吸う男、奇抜な髪型の男、顔に傷のある男などなど、一癖も二癖もありそうな者ばかりが並んだのだ。


「…………あの、赤い髪の先生……怖そう……」

憂は顔に傷のある男を見ながら言う。

「あー、確かにヤバそう。ってか、教師って顔少な過ぎ!!」

ナミは呆れ気味に呟いた。

憂は担任の発表を(あの先生には当たりませんように!)と祈った。

「3組はシャンクス先生」

一歩前に出たのは顔に傷のある赤い髪の男だった。

「…………」

憂は不安になった。
高校新入生は15歳程の子供達。
(ヤクザ)と皆心の中で思っていた。


「あー、シャンクスか。まァまァだな」

いつの間にか起きていたそばかすの男がにかりと笑った。

「…………」

厄介な男が「まァまァ」と評価する怖そうな先生に憂の不安は余計に積もった。



ここから憂達の高校生活が始まった。

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