03
シャンクスはサクサクと砂浜を歩く。
○○をこの世界へ連れて来たのはシャンクス自身だ。
どうしても彼女が欲しくて連れて来た。
しかも10年もの時間が流れてしまった。
もちろん今更手放す気もないが、○○が元の世界へ帰る方法があるとしたら、どうするのか。
本当は後悔しているのか?
それがシャンクスには知りたかったのだ。
「っシャンクス!!!」
○○の叫び声にシャンクスは歩みを止めた。
「ちょ、私を置いて行こうとした?」
○○はシャンクスの前に回り込んだ。
「……いや」
シャンクスは静かに声を出した。
「……どうだか」
○○はやれやれと口を開いた。
「もう飽きた?でも残念。私はレッド・フォース号から降りる気も貴方から離れる気も無いの知ってる癖に」
○○はシャンクスを睨み上げる。
「要らなくなったら貴方の手で止めれば?」
○○はシャンクスの剣を撫でた。
「帰る方法があるって解ったら返すの?殺すのは後味悪いから?止めを刺す度胸も無いの?」
○○はジッとシャンクスを見る。
「……まさか。お前を殺す気も手放す気もない」
シャンクスは○○の頬に手を添える。
「そう?」
○○はくすりと笑った。
「しかし、どうしてこうなっちまったのかね?」
「なにが?」
シャンクスの言葉に○○はキョトンとする。
「初めは可愛かったのによ、今じゃ気が強くて仕方ねェな」
シャンクスは○○の肩に顔を埋める。
「んっ……仕方ないじゃない。私、海賊なんだもん」
○○はクスクスと楽しそうに笑った。
「…………そうか」
シャンクスはキョトンとした顔で頷いた。
「うん」
「なら、仕方ないな」
シャンクスはだっはっはっ!と笑いながら○○の頭を撫でた。
「……良かったのか?帰るチャンスは最後かもしれないぞ?」
シャンクスはニヤリと笑った。
「シャンクスが一緒に帰ってくれるなら考える」
○○はにこりと笑った。
「そりゃ無理だな」
「なら、帰っても意味がないから帰らない」
○○はきっぱりと言い切った。
「そうだな」
「じゃあ、行こう?出航準備しなきゃ!」
○○はシャンクスを引っ張った。
「…………なるほど」
シャンクスは○○を抱き寄せた。
「早く抱かれたかったなら、そう言えば良いだろ」
シャンクスは低い艶のある声を出した。
「なっ!ち、違う!そうじゃないよ!」
○○は慌てて手を振った。
「そうか?なら、してくれるのか?楽しみだな」
シャンクスはニヤリと笑った。
君を想うと言う事「お頭帰ったか?」
「おう!出航するのはお前に任せるよベック」
「…………あァ?」
「仕方ないだろ?抱いてやらなきゃいけねェからな」
「………………そうか」
「ふ、副船長!!!た、助け」
「今、他の男の名を呼ぶのは得策じゃねェな」
「っ!!そ、その顔は怖い!!!」
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