01
蓮と△△は再会してから年に2回程2人で旅行する事にしている。
「今回はどこにしようか?」
蓮が嬉しそうにオレンジジュースを口にした。
「そうね。前回は温泉街だったから、スパとか良いかしら」
△△は珈琲を飲みながら雑誌を広げる。
お互いに家だとシャンクスとベックマンに邪魔をされるので、2人で会う時は良く外で会っていた。
「良いね!じゃあ、思いきってエステとか出来る所にする?」
蓮は身を乗り出してページを捲る。
「良いね!じゃあさ」
2人はキャッキャッと楽しむ。
「あの」
そう話し掛けて来る女がいた。
「はい?」
蓮をじっと見る女を見上げた。
「失礼ですが、シャンクス社長の奥様ですか?」
にこりと女は笑顔を見せた。
「だったら何かしら?」
△△がすっと立ち上がり、警戒しながら女を見た。
「怪しいものではありません!私、□□と申しまして」
□□が慌てる事なく説明すると蓮は「あぁ!」と笑顔になった。
「あの時はご丁寧にお菓子ありがとうございました」
蓮は丁寧に頭を下げた。
「いえいえ。ご旅行ですか?」
□□はテーブルに広げられた旅行雑誌を見る。
「えぇ、どこに行こうなぁって」
蓮は雑誌に目線を落とした。
「スパですか!私も行きたいですね。マルコさんに言ってみようかな」
□□はポツリと独り言を呟く。
「マルコ……マルコさんって白ひげの?」
△△が驚いて□□を見た。
「え、えぇ」
□□が頷いた。
「へぇ!マルコさんの彼女って事?」
△△が妖艶な笑みを浮かべた。
「…………なにか?」
□□は警戒しながら△△を見た。
「失礼。私元白ひげ傘下にいて、マルコさんにもお世話になっておりました」
△△は美しい笑顔のままで頭を綺麗に下げた。
「あぁ、そうだったんですか!ワタクシこう言う者で」
□□がホッとしながら名刺を取り出す。
「これは丁寧に。私も」
△△も名刺を取り出す。
「なんか2人共社会人!」
蓮は少し羨ましそうに笑った。
「あんたね」
△△はくすりと笑った。
「あ!良かったら一緒に行かない?」
△△が□□を振り返る。
「それ良いね!」
蓮も嬉しそうに笑った。
「いえ、その」
□□は苦笑した。
「スパとかエステとか男と行っても仕方ないじゃない?」
△△はにこりと笑った。
「そうしようよ!ね?」
蓮は△△にのり□□の逃げ道を塞いだ。
「え……っと」
「はい!座って座って!」
蓮は隣に□□を座らせた。
△△はその様子に満足し自分も席に座った。
「○○ちゃん!」
□□が逃げる口実を探していたら○○を見つけた。
どうやら一人で暇を潰しに入ったらしい。
「あ!□□さん!この前はご馳走さまでした!…………あれ?蓮さん?」
○○が笑顔で近付いて来て、□□を見てから蓮を見た。
「あれ?知り合い?」
□□が○○と蓮を見比べる。
「えぇ、バイト先に良く来て下さるので」
○○がにこりと笑った。
「こんにちは○○ちゃん」
蓮がにこりと笑う。
「こんにちは」
○○は頭を下げた。
「だれ?」
△△がこっそり聞く。
「○○ちゃんって言って、シャンクスとルフィくんと良く行くアイス屋さんの子」
蓮がにこりと笑った。
「あ!元白ひげの方なら、エースくんの彼女です」
□□が△△に説明した。
「え?エース?エースってポートガス・D・エースの事?」
△△が不思議そうに○○を見た。
「は、はい!」
○○は初めての△△に緊張しながら頷いた。
「あの?オヤジに歯向かってこてんぱんにされた後、マルコさんに諭されてからは従順なワンコの様なエースくんか!」
△△は嫌みなく笑った。
「え、エースがワンコ」
○○は驚いて△△を見た。
「あ!ならさ!奇数だとあれだなぁって思ってたし、貴女も一緒に行かない?」
△△がくすりと笑った。
「え?」
○○は不思議そうに首を傾げた。
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