03
「あ?そんなの覚えな……、わかったよ!仕方ねェな!」
サッチは面倒くさそうに携帯を切った。
「どうしたよい」
マルコが仕事の時の顔でサッチを見た。
「なんかよ、俺の担当してる奴が駄々こねてるらしいんだよ。担当者出せー!ってな」
サッチが大きくため息をついた。
「そいつはご苦労なこって」
シャンクスが酒を煽りながら言う。
「俺も行くか?」
「良いって!このサッチ様に任せろ!」
マルコが席を立とうとするのをサッチが押し止める。
「んじゃな!」
「サッチ頑張れよー!」
「おぅ!!」
エースの励ましに答え、サッチは爽やかに笑い店を後にした。
「しかし、このメンバーが揃うって変な感じだな」
ベックマンがポツリと呟いた。
「なにがだよい」
マルコは手酌で日本酒を飲む。
「あれだけ自慢大会して、休みの日だと言うのに家にも帰らず」
ベックマンが紫煙を吐き出した。
喉を潤す様に烏龍茶を飲んだ。
「だってよー、○○の奴旅行に行くって行っちまったんだよ」
エースがつまらなそうに言う。
「□□もだよい」
マルコはくいっとお猪口を煽る。
「マジか?要もなんだよ」
シャンクスが驚く。
「△△も要と一緒にな」
ベックマンも頷いた。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
一同黙り込む。
「……まさかと思うが、何故この店?なんだ?」
ベックマンが3人を見回した。
「俺とベックは要達から旅行会社の割引券くれてな」
シャンクスがごそごそとポケットからシワになった千円引きのチケットを出す。
「…………俺も□□から」
マルコは札の間に挟んでいたシャンクスが持っているのと同じチケットを取り出す。
「俺もだ!」
エースは財布からチケットを取り出した。
「…………」
「…………」
「…………」
「…………」
また一同黙り込んだ。
ガタンッ!!
突然シャンクスが立ち上がった。
エースとマルコがギョッとしてシャンクスを見上げる。
「どうした?お頭」
ベックマンが呆れながらシャンクスを見上げる。
「危ねェ」
シャンクスが俯き加減で声を絞り出した。
「ど、どうした?」
エースが恐る恐るシャンクスを見る。
「危ないだろ。元々要と△△さんの2人旅でも心配だった。まァ、前にも行ってるから送り出したよ。だがな、それに加えて○○さんや□□さんが一緒にいたら余計に危ねェじゃねェか!!」
シャンクスは叫び出した。
「なにがだよい」
マルコが呆れ気味に言う。
「だってよ!美人4人集まったらナンパとか変な虫とか付きやすいじゃねェか!!!」
シャンクスは高らかに叫んだ。
「…………」
「…………」
マルコとエースが黙り込む。
「大丈夫だろ。それに4人が一緒だとも限ら」
「それは危ねェ!!」
エースがベックマンを遮る様にバンッとテーブルを叩きながら立ち上がった。
「仕方ない。行くよい」
マルコまでもが立ち上がる。
「…………」
ベックマンが呆れ気味に3人を見上げる。
「なにしてんだ、ベック!お前だけ飲んでねェんだから、車出せ!」
シャンクスがベックマンを睨み付ける。
「……車で来たからな……」
ベックマンがため息をつきながら立ち上がった。
「仕方ない、行くか」
言いながらも煙草が灰になるのが速かった。
「待ってろ要!」
「お頭、金」
「ぐっ!」
「赤髪に貸し作りたくねェよい」
「あ!サッチの使ってた皿のしたから金が!」
「サッチ……やるな」
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