01
「あー、後今日は校庭、テニスコート、体育館、道場とか全部使用禁止だ!」
朝のホームルームで担任のシャンクスが連絡事項を言う。
「えぇ?!部活はー?」
一人の生徒が不満げに言う。
「全部禁止!」
シャンクスがぶぶーと手でばつを作る。
「よし!じゃあ放課後遊べるな!」
「お前ら高校生何だから勉強もしろなー」
面倒臭そうにシャンクスが付け加えた。
そして、放課後。
「扇維!今日どうする?」
同じ部活の友達が帰り支度をする扇維に聞く。
「どうしよ」
「悪ィな、先約だ!」
エースがにかりと扇維を後ろから抱き締め友達に言う。
「へ?」
「ほら、行くぞ」
ローがエースの手を退け扇維を連れて行こうとする。
「たまにはミスド以外にしようぜ」
キッドがだるそうに言う。
3人は扇維を引きずって教室から出た。
他の生徒は扇維を羨ましく見る者、「頑張れ!」と応援する者、無関心な者と様々だった。
「天気も良いのにこんな時間に帰るの初めてかも!」
ずっと部活ばかりでテスト前後しかこんな時間に帰らないのだ。
「そっか、部活だもんな」
エースが頷く。
「うん!テニス部」
扇維がにこりと笑う。
「あれだよな、テニスって言ったらあのミニスカだな」
キッドがテニスのユニホームを思い出しながら言う。
「え?あ、うん。スコートね」
扇維が頷く。
「今持ってないのか?」
ローが話題に乗る。
「持ってないよ!あれは試合の時だけだもん」
扇維は説明する。
「えー!なんだ、つまんねー!今度はけよ!」
エースがニヤリと笑った。
「普段ははかないよ!恥ずかしいでしょ?」
扇維は少し照れながら言う。
「あんだけ短いとパンツ見えるよな」
「ちゃんと見えても良い奴だろ」
「だろうな」
エースの問いにローとキッドが答える。
もはや扇維は話に参加できないでいた。
「他の女子のスカートとあんま長さ変わらなくねェか?」
キッドが言う。
「そうだな。でも、あれは真剣にスポーツしてるから良いんだよ。ただ短かけりゃ良いと思ってる奴よりましだ」
ローが顎を撫でながら言う。
「確かにな。扇維くらいで良いよ、長さ」
エースが扇維の膝より少し上の制服を見る。
「で?前の女のスカートは?」
キッドが前をキャッキャッと歩くギャル系女子の短いスカートを指差す。
「見る!」
エースは断言した。
「…………」
扇維は照れながらちらりとエースを見上げる。
「俺は扇維が好きだけど、ああ言うのを目で追うのは男の性だ!」
エースはどーんと言い切った。
「馬鹿だな」
「あァ」
キッドとローがエースを呆れて見る。
「あ!そう言えばロー君は剣道部なんだよね?」
扇維は話題を変えようとローを見上げる。
「あ?あァ」
ローは頷く。
「良いよね!剣道着!似合いそう!」
扇維がへらりと笑う。
「なら、今度見せてやる」
「本当?!楽しみ!」
ローの言葉に嬉しそうに笑う扇維。
「エースくんとキッドくんも似合いそうだね!」
扇維はにこりと2人を見上げた。
「あ!でもエースくんは剣道着より弓道着にして欲しい!」
扇維は楽しそうに笑った。
「お、おぅ!今度な」
エースは照れながら笑った。
「ユースタス屋は柔道着だな」
ニヤリとローが笑う。
「んだと?!やるか?コラ!!」
キッドが怖い顔でローを睨み付ける。
「あはは!やれやれ!」
エースが焚き付ける様に笑った。
「け、喧嘩はダメだよ!」
扇維が慌てて止めに入る。
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