05
頭が重い中○○は目を覚ませた。
カーテンから漏れる光が気持ちが良い。
そこで、気が付いた。
自分は昨日の服のままではないか。
「えーっと」
必死に思い出そうと頭をひねる。
シャンクスと居酒屋に行って、食べて飲んで
「そうだ、飲んじゃったんだ」
○○は誤って酒の入ったグラスを一気に飲み干してしまったのだ。
しかし、その後の記憶はない。
「…………どうやって帰ってきたのかな?」
そんな事を考えていたが、思い当たるのはひとつしかない。
そんな事を考えていると、食欲をそそる良い香りがしてきた。
○○は慌てて着替えると自室を出た。
「おはよう……ございます」
○○は驚きながら我が目を疑った。
「おう!○○!飯出来るぜ!」
自称海賊頭はエプロンを付けてキッチンに立っていた。
「…………」
○○は驚きながらも、素直にテーブルについて待つ。
「ほれ、出来たぜ!」
シャンクスは自分の分と○○の分のオムレツをテーブルに並べた。
「美味しそう!」
○○は嬉しそうに声をあげた。
「あ!コンロとか使い方わかった?」
○○はシャンクスが異世界から来たのを思い出す。
「ああ!ちょっと手間取ったが、コツがわかればなんて事はないな」
シャンクスはにかりと笑った。
「そっか。いただきます!」
○○は丁寧に手を合わせると、オムレツを食べる。
「どうだ?」
「美味しい!!」
「だろ?」
シャンクスは自慢気に頷いた。
「凄いね!シャンクス!オムレツって難しいのに!!」
○○は尊敬の眼差しでシャンクスを見た。
「まぁな、俺様にかかれば大した事ないぜ」
シャンクスはふふんと鼻を鳴らす。
「あ、そうだ。昨日ってさ……」
○○は不安そうにシャンクスを見る。
「ん?ああ、酔っ払って寝始めたから連れて帰って来た」
シャンクスは当たり前の様に頷いた。
「ご、ごめんね。重かったでしょ?」
「いや、○○くらいどうって事ないぜ?海賊舐めんなよ?」
シャンクスはニヤリと笑った。
「あ、ありがとう」
○○は顔を赤くして笑った。
「今日はどうしようかしら?仕事も休みだし。何かと不便だからこっちの事も教えないとね」
○○はシャンクスを見てにこりと笑った。
「お!助かるな」
シャンクスはにかりと笑った。
○○は一通り部屋にある物を説明した。
テレビや電気、電子レンジや冷蔵庫、掃除機に洗濯機。
シャンクスの世界にはないまでも、似たような物なら存在するらしい。
シャンクスの世界もなかなか面白そうだ。
「シャワーとかお風呂もあるんでしょ?お金の払方も昨日やってるし、温泉でも行かない?お風呂入ってないから気持ち悪くて」
○○はそう提案する。
「お!良いな!」
シャンクスも頷いた。
○○は着替えやタオルを二組用意するとひとつをシャンクスに渡した。
「近くに良いのがあるのよ!それに、丁度開店時間だし」
○○とシャンクスは歩きながら話した。
「良いな。船の風呂はどうしても小さいからな。それに真水はなかなか使うの勿体無いしな」
シャンクスは嬉しそうに笑った。
歩いて10分ほどすると、大きな建物に「温泉」と書かれた上りが立っていた。
靴を脱ぎ、金を払う。
「じゃあ、ここが休憩所。終わったらここに集合。もし、先に上がって喉が乾いた時にはこれね」
○○は1000円札を渡す。
「悪いな」
「良いよ。その代わり、もし私がそっちに行ったら面倒見てよね」
○○はにこりと笑った。
「おう、任せとけって!」
シャンクスもにかりと笑った。
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