最終話
「お頭お帰りー」
シャンクスが○○を抱き抱えてレッド・フォース号へと帰って来るとクルー達が次々と声をかけてくる。
皆、鷹の目とシャンクスの決闘を船から見ていたのだ。
「出港するぞー!!」
「「「オォー!!!」」」
シャンクスの掛け声にレッド・フォース号がシッケアール王国跡地を離れる。
「○○」
シャンクスは○○をベッドへと押し倒した。
「だ、ダメだよ!シャンクス!やっぱり怪我してるでしょ!」
やっと我に返った○○は怒った様にシャンクスを押し返した。
「まだ我慢させる気か?」
シャンクスの言い方はとても官能的で○○はクラクラとした。
「そ、そうだよ!嫌よ?終わったらベッド血だらけとか」
○○は困った顔をする。
「…………大丈夫だろ」
「目を反らすくらいなら治療して!」
○○は苦笑しながらシャンクスを立たせる。
「一緒に行ってあげるから、ね?」
○○は何とか宥めようとシャンクスを撫でる。
「…………はぁ、参ったな」
シャンクスはため息を吐きながら苦笑した。
「あーあ、私また鷹の目にお別れの挨拶出来なかった」
○○は素肌の体をシャンクスへとくっ付けた。
あれから数時間。シャンクスの傷口から新たな血が出る事もなかった。
「お前はまた……」
シャンクスは少し不機嫌そうに○○を見る。
「ねぇ、シャンクス」
「なんだよ」
「もし、私が本当に鷹の目を想ってたらどうする?」
○○はクスクスと笑った。
「……鷹の目の所へ行って、奴の目の前でお前の四肢を切る」
「……」
シャンクスは○○の腕と足を愛しそうに口付ける。
「で、奴の目の前で犯す。気絶なんてしない様にな」
シャンクスは真剣な目で○○から目を反らずに唇を重ねた。
「…………こ、怖いんですけど」
○○は冷や汗を滴ながらシャンクスを見上げ、切られていないはずの四肢の付け根が痒くなった。
「愛情表現だろ?」
シャンクスがニヤリと笑った。
相変わらずのシャンクスの歪んだ愛情表現にすら愛しさを感じてしまう○○も、すでに歪んでしまったのかも知れない。
「…………シャンクス」
○○はジッとシャンクスを見上げる。
「愛してるよ」
○○は言いながら自らの腕をシャンクスの首に巻き付けた。
「あァ、俺も愛してる」
シャンクスは驚いた顔を作ってから愛しそうに○○を撫でた。
「ふふ、初めて言ってくれたね」
○○は嬉しそうに笑った。
「そりゃ、お互い様だ」
シャンクスはニヤリと笑った。
「え?そうだっけ?」
「そうだぞ!」
不思議そうにする○○にシャンクスは不機嫌そうに言う。
「俺は○○、お前を愛してるよ。10年間ずっとな。そんで、これからも」
シャンクスは穏やかに笑うと○○に重なる。
「私も、元の世界へなんて帰らないよ」
○○はクスクスと笑った。
「帰ったとしても、また拐いに行くさ。何度でもな」
海と空と海賊と「また10年経っちゃうのかな?そしたらシャンクス50歳だね」
「…………正確には47歳だ」
「こ、細かい」
「悪かったな!」
「どんなシャンクスでも愛してるよ」
「俺もだ」
「本当?凄い太っても?」
「あァ」
「よぼよぼのおばあちゃんになっても?」
「そうだな。一緒に隠居するか!」
「ふふ!シャンクスは隠居とか似合わないよ!」
「そうか?」
「うん、ずっと海の男だよ」
「……ありがとな」
(完)
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