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「たまには本気の奴とやり合うか」

鷹の目が声を出すと、椅子から立ち上がる。

「……」

ニヤリと笑う鷹の目の顔に○○が固まった。

そんな彼女に近付き、鷹の目は○○の顎に手を添える。

「へ?」

上を向かせると、そのまま鷹の目は○○の唇に己のそれを押し付けた。

「た、たたたたたたた鷹の目?!」

一瞬で離れると○○は手の甲で自分の唇を押さえつける。


ーーザンッ!!!



「キャッ!!」

物凄い風圧に押される様に○○は鷹の目から離される。

「テメェ!!!!何してやがる!!!」

突然現れたシャンクスは本気で鷹の目を斬り殺そうと剣を振り下ろしていた。

「さてな」

鷹の目油断無く黒刀《夜》でそれを受ける。

「○○は俺の女だ!誰にも渡さねェ!!!」

シャンクスは低く怒鳴りながら右手一本で剣を操る。

「ならば首輪でも付けておくのだな」

鷹の目は悪びれずに言い放つ。
もちろん両手で持つ夜によつてシャンクスの剣を弾き返す。

「付けたいが、○○は犬じゃねェんだよ!!!」

シャンクスは体重を乗せて剣を振り切る。

「ふん、片手でも少しはやるものだな」

お互いの剣同士がガツンと鳴った。




真剣でやり合う本物の闘いを前に、○○は何も言えずに床にしゃがみ込んだまま、その様子を見ていた。

古城の中、天井は高いがそれでも室内だ。
お互いに長い得物で闘う2人はそれも心得ていた。

怖いはずなのにこの2人は闘う事で解り合う。そんな気がしたのだ。









小一時間程2人の決闘は続いていた。

始めの内は怖がっていた○○だったが、徐々に2人は離れていき、今では古城の外でやり合っていたので危険はない。
猿達も遠巻きに2人を見ていた。

(プロレスでも見てる観客みたい)

猿達は雄叫びを挙げながら2人を応援していた。

(どうしよう?暇になっちゃった)

○○は仕方なく2人を見る。心なしか2人共楽しそうだ。

(よし)

○○は立ち上がると古城のバルコニーから思いきり体を乗り出した。

「シャンクスー!」

○○の呼び声に2人の男が手を止めずに反応する。

「今なら許してあげるから、私の相手もしてよー!」

○○はそうシャンクスに叫んだ。

「っ!!○○!」

シャンクスは嬉しそうに○○を見る。


ーーガキンッ


鷹の目の黒刀がシャンクスを貫いた。

「っ!!」

○○は驚いて口許を押さえる。

「悪ィな!鷹の目!また遊ぼうな!」

シャンクスはニヤリと笑うと剣を鞘に収め、飛ぶように○○の元へとやって来た。

「○○!!!」

シャンクスは○○を自分の胸に閉じ込めた。

「しゃ、シャンクス!!今刺され!!!」

○○は慌てながらシャンクスの脇腹辺りを手で撫でる。やはり生暖かい液体が○○の手を汚した。

シャンクスはそれを無視する様に○○の唇に自分のそれを押し付け、舌をねじ込み絡ませる様に堪能する。

「んん、」

○○は速過ぎるシャンクスの行動について行く事が出来ずにただただされるがままだった。










「気はすんだか?」

ようやくシャンクスが○○を放した所で鷹の目が先ほどの豪奢な椅子に座りながら話し掛けて来た。

○○はと言うと立てずにシャンクスに抱えられていた。

「全然済んでねェよ!!」

シャンクスは鷹の目に叫んだ。

「ここでヤって良いならしてくけど?」

シャンクスが「ベッドどこだ?」と古城を見渡す。

「……止めろ」

鷹の目は不機嫌そうにシャンクスを睨み付ける。

「わかってるよ!早く帰らねェとベックにどやされるからな」

シャンクスは○○を抱き抱え、出口に向けて歩き出す。

「お前さ」

シャンクスは一度だけ振り返る。

「○○の事……」

シャンクスはジッと鷹の目を見る。

「…………フン。下らん事を言ってないで早く行け」

鷹の目はシャンクスの方は見ずにワインを口に運ぶ。

「…………そうか」

シャンクスは出口へと足を向けた。

「傷の手当てはしろ」

「…………はいよ」

シャンクスは○○を連れてレッド・フォース号へと帰った。

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