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※18禁とまではいきませんが、苦手な方はお気を付けください。
それから○○は昼御飯も夕飯にも現れなかった。
「お頭ァ、良いのか?」
ヤソップが呆れながらぐびりと酒を煽る。
「…………」
シャンクスは不機嫌そうにチラリとヤソップを見る。
「全く、お頭は小せェ男だな!帽子くらいで」
ルウは肉をかじりながら言う。
「だってよ。あれだけクローゼットの奥に隠すように入れてさ」
シャンクスはボソボソと口を動かす。
「お頭に棄てられるからだろ」
ベックマンはため息混じりに言う。
「……」
「お頭が、それくらい持ってれば良いって余裕を見せれば良かったんだ」
「……だってよ」
「男が言い訳するなよ!」
だはははとヤソップが笑う。
「とにかく!他のクルーが心配するから○○と仲直りしてくれ!」
ルウが肉をかじりながら言う。
「…………あァ」
シャンクスは頭をガシガシとかいた。
ーーコンコン
シャンクスは○○の部屋のドアをノックする。
「…………はい?」
小さいが返事があった。
「俺だ」
シャンクスは声をかける。
「…………」
○○は無言だ。
「なァ開けてくれねェか?」
「……」
「今日はお前の許可が無ければ入らねェ」
シャンクスは小さく声を出す。
「…………」
ーーカチャリ
音と共に○○が顔を出す。
「○○」
シャンクスは少しホッとした。
「…………」
○○は無言のまま部屋にシャンクスを招いた。
○○はプイッとシャンクスから顔を背けてベッドに座る。
「……○○。何であんな帽子を大切にするんだ?」
シャンクスは不思議そうに声を出す。
「……」
謝罪ではなかった事に○○はさらに不機嫌になる。
「新しいの買ってやったんだ。もう要らないだろ?」
シャンクスは呆れながら言う。
「新しいとか、古いとかそう言う問題じゃない」
○○は不機嫌さを隠さずに言う。
「せっかく、鷹の目に貰ったのに……」
○○がぽつりと呟くと今度はシャンクスが不機嫌になる。
「なんであいつに貰ったのなんて大切にするんだよ?」
低い声を出すシャンクスにビクリと体が揺れる。
「何でそんな言い方するの?鷹の目がいなければ私はまだシャンクスに会えなかったんだよ?」
○○は強い口調だ。
「そうだな。それは感謝する」
「でしょ?!なら、そんな言い方!」
「ちっ」
○○の鷹の目を庇い、大切に思う言い方にシャンクスは苛立ちの限界に達した。
「ちょっ!シャンクス!!」
○○はシャンクスにベッドへと押し倒されて声を出す。
「うるせェ」
シャンクスは地を這う様な低い声を出す。
シャンクスは片手と口で簡単に○○の両手を紐で縛る。
「やっ!シャンクス!!」
○○の怒鳴る声を無視して縛った紐をベッドにくくりつける。
「はは、良い眺めだな」
ニヤリと獰猛な獣の様な目付きでシャンクスは○○を見下ろした。
「……」
ぐったりとする○○の手首には紐が擦れて出来た傷が目立った。
○○はシャンクスに抱かれる間も声を一言ももらさなかった。
「…………○○」
シャンクスはさすがにやり過ぎたと○○の名を呼ぶ。
「……」
○○は無言だ。寝ている訳ではない。
「で、でも○○もちゃんと濡れ」
「知ってる?」
シャンクスの言葉を遮る様に○○は冷たい声を出す。
「濡れてない所に入れられるのって、本当に考えられないくらい痛いのよ。一度入れられてみれば解るわ」
○○の冷たい声にシャンクスの背筋は凍る。
「わ、悪い」
シャンクスは頭を下げる。
「…………手、外して」
「あ、あァ」
シャンクスは片手で器用に○○の手を拘束している紐をほどく。
「出てって。満足したでしょ」
○○はシャンクスを見ずに言う。
「○○……」
シャンクスは頭をガシガシとかいて、大人しく立ち上がった。
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