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○○が雑用を辞めてから時間ができ、のんびりと過ごす。
もちろん、シャンクスとの時間が増え、シャンクスは大満足だ。
「ねぇ、シャンクス。今日はお風呂掃除もしなくて良いんだって」
○○はのんびりとベッドでうつ伏せになってシャンクスの顔を覗き込みながら聞いた。
「あァ、島に着いたらここの風呂に入るクルーも減るからな。○○がやる必要はないよ」
シャンクスは仰向けで寝転がり、手を伸ばし○○を撫でる。
「そうなんだ。何か、申し訳ないね」
○○が困った様に笑うとシャンクスは撫でていた手でおでこを弾いた。
「あ痛っ!」
○○はおでこを擦る。
「お前は俺の事だけを考えてりゃ良いんだよ。それに、島に着いたら出掛けるんだろ?」
「……うん」
「よし、ならもう一回やっとくか」
「っ!!」
「島が見えたぞーー!!!」
シャンクスが○○を押し倒そうとした正にその時、見張りのクルーがそう叫んだ。
「シャンクス!島だって!!!」
○○はするりとシャンクスから抜け出すと目をキラキラさせながら服を着始める。
「まァ、島で宿とれば良いか」
シャンクスは嬉しそうな○○を苦笑気味に見た。
「わぁ!大きい!」
甲板から見える島は大きな船が沢山停まっているのが見えた。
「おっ!○○!」
「お前が乗ってから初めての島だな!」
「良い女いるかなー」
クルー達は口々に言う。
「はい!楽しみです!」
○○はにこにこと笑う。
「あー、癒しだ!」
「でも!早く島で楽しみたいな!」
「ぐふっ!楽しみたい!」
「……頑張っ……て」
しまりのないクルー達の顔付きを○○は苦笑気味に見た。
みるみる内に島が近付き、停泊の準備をするクルー達。
錨が下ろされ、街とは離れた場所へと停めれた。
「ねぇ、どうしてこんなに遠くに停まるの?」
○○はいつの間にか着替えを終え隣に来たシャンクスを見上げた。
「おう、俺達の船が近付きたら可哀想だろ?」
シャンクスは楽しそうに笑う。
「え?」
「お頭は腐っても四皇だからな!」
ルウが笑いながら肉を食う。
「お前、腐ってもって」
シャンクスは笑い飛ばす。
他のクルーもわはは!と笑う。
「あ、あぁ、怖がるって事?」
○○がルウを向きながら聞く。
「そう言う事だ」
ヤソップが頷き、そちらに顔を向けた。
「腐っても四皇だからな!」
ニヤリと笑ったヤソップに○○もクスクスと笑った。
「悪かったな、腐ってて……」
「じゃあ、買い物班と船番は頼むぞー」
「「「おーー!!!!」」」
シャンクスの声にクルー達は雄叫びで返した。
「他の野郎共は遊べー。ただし、島民には迷惑かけるなよー」
「「「おぉーー!!!」」」
さっきのクルー以外の男達が雄叫びを上げた。
「じゃあ、俺は○○とぐふっ」
「気持ち悪ィぞ、お頭ー!」
シャンクスの言葉にヤソップが嫌そうに顔を歪める。
「ごめ、さすがの私もちょっと引く」
○○は自分を庇うように両手で抱き、シャンクスから離れる。
「……だとよ」
ベックマンが紫煙を吐き出した。
「○○まで……」
良い年したオッサン。しかも四皇と恐れられる男が情けなく半泣きだ。
「……情けないな。あんた」
ベックマンは大きくため息を吐いた。
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