26
○○は朝から甲板の掃除をしていた。
掃除の時にはいつも白いフリル付きエプロンドレスをしている。
「あの、ヒラヒラと揺れるのは、何ともそそられるよなぁ」
「赤髪海賊団の癒しだよなぁ」
そんな言葉を気にもせず、○○はゴシゴシとブラシを動かした。
「よし!朝の掃除はこれくらいにして、朝飯にしよう!」
掃除係長の声に○○はホッとしてブラシを片付けた。
「いやったぁ!!飯だ!!」
「ほれ、行くぞ!」
「あ、はい!!」
そして戦場と化した食堂へと足を踏み入れる。
「○○、大丈夫か?」
「はい!だいぶ慣れました!」
朝食を何とか確保して○○はスクランブルエッグを死守しながら食べた。
「そう言えば、今日の風呂掃除はシラパがやるってよ!」
「え?」
いつもは○○が風呂掃除をして一番風呂に入っているのだ。
「珍しい……」
言ってくれたら手伝うのにと不思議に思いながら食べる手を止めた。
「隙あり!」
海賊の一人が○○のウインナーを盗った。
「っ!!わ、私の貴重な肉!!」
○○はショックを受け、ウインナーは盗った海賊の口に放り込まれた。
「へへっ!まだまだ甘いぜ!!」
そう言いながら去って行った。
悔しく思いながらも、朝食を食べ進める。
「じゃあ、○○は風呂掃除頼むわ!」
「はい!」
「脱衣室の方も念入りにな!」
「了解しました!!」
○○はにっこりと頷くき風呂場へと向かった。
「あら、○○。おはよう」
シラパはいつもの美貌で○○を出迎えた。
「おはよう、シラパ!」
○○は嬉しそうに美女に近付いた。
「今日は私もお風呂に入りたいから掃除手伝うわ」
シラパはにっこりと笑った。
「本当?嬉しい!じゃあ、私脱衣室の方やるね!」
「ええ、解ったわ」
シラパは頷いた。
浴槽の方からはゴシゴシとブラシを擦る音が聞こえ、脱衣室からは○○の鼻唄が聞こえた。
「ふふ、ご機嫌ね」
シラパは手を休める事なく聞いてくる。
「いつもこの時間は一人だったから、寂しかったの」
○○はクスクスと嬉しそうに笑う。
「あら、私といて嬉しいの?」
シラパは妖艶に微笑む。
「ええ!もちろん!」
○○は満面の笑みでシラパを見る。
「ふふ、嬉しい」
シラパは珍しく照れたように笑った。
2人は二時間程かけて掃除をした。
風呂場は見違える様に綺麗になった。
「いつも一人だとここまで出来ないから、助かったわ!」
○○はシラパを見上げる。
「ふふ、良いのよ。さて、湯船にお湯でも溜めて入りましょうか」
シラパは言いながらお湯を出し始めた。
「昨日、お風呂入れなかったから、気持ち悪くて……先に入っても良いかしら?」
「もちろん!」
「なら、着替えを取ってくるわ」
「私も!」
シラパに続き、○○も風呂場を後にした。
部屋から風呂場へ続く道に戻ると、丁度赤い髪を見付けた。
「お頭!おはようございます」
○○は自然と軽やかな足取りになり、シャンクスに近付いた。
「お、○○!これから風呂か?」
声をかけられたシャンクスが嬉しそうに振り返る。
「はい!シラパと2人で掃除したから、凄い綺麗になりましたよ!」
○○は上機嫌で報告をする。
「……シラパ……ねェ」
シャンクスは微妙な顔付きをする。
(そっかシャンクスにとったら新旧彼女だもんね)
○○は胸中で苦笑する。
「シラパには良くして貰ってるんです」
○○はにこにこと笑った。
「……そうか」
シャンクスは○○の笑顔に表情を緩めた。
「じゃあ、お風呂行ってきます!」
「ああ、溺れるなよ」
「あはは」
シャンクスの言葉に○○は楽しそうに笑いながら風呂場へと入った。
脱衣室に入ると、「シラパ入浴中(ハート)」の札が掛かっていた。
○○は一緒に入ってしまおうと服を脱ぐ。
「シラパー!私も入る」
「え?え?」
○○がタオルで前だけ隠すとシラパに声をかける。
珍しくシラパの焦った声が聞こえた。
「ダメ?」
「だ、ダメよ!ダメダメ!!」
○○が風呂場への扉に手をかける。
すると、シラパは声を慌てさせた。
「えー、女同士なんだから良いじゃない!開けるよー」
「○○!!」
○○が風呂場の扉をガラリと開けた。
シラパはこちらを見て立っていた。
髪を洗っていたのか、まだ少し泡が付いてる。
「あ、あれ?」
やっぱり裸も綺麗だなぁ。などと見ていたら、何やらおかしなモノが見れた。
豊満な胸……ではなく厚い胸板、細い腰……だが筋肉質の腰付き。
足も筋肉質で、まるでーーー。
そして、一番の違和感
「なっ!え?し、シラ……」
○○は声にならない声を出す。
足の間、その付け根に女には無いモノがついていた。
そして、それは徐々に上を向き始めーー
「あらら、ばれちゃったわね?」
シラパは困った様に美しい顔で笑った。
「っ!き、きゃぁぁぁぁ!!!」
○○は混乱しきった頭で叫んでいた。
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