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「そう言えば、海賊船同士の合戦て初めて見る」

○○は小さな鳥の巣を持ったまま呟いた。

「そうなのか?」

ヤソップが意外そうに声を出した。

「あ、はい。鷹の目は自分で乗り込んで行ってましたから」

○○は鷹の目を思い出しながら言う。

「ああ、あの棺船ならな」

ルウは納得した様に頷いた。

「また鷹の目か」

シャンクスは小さく舌打ちをした。

「ところでお頭、○○はどうするつもりだ?」

後ろからやって来たベックマンが○○を見て聞く。

「あ?本部や白髭じゃなきゃ問題ないだろう」

シャンクスはチラリと○○を見てからベックマンに言う。

「まぁ、そうだな」

ベックマンは頷いた。

「あの、私戦えないし、上にいれば良いですか?」

○○はほうきと鳥の巣を持ったまま聞く。

「……それが良いか?良いのか?」

シャンクスもうーんと首を捻る。

「お頭と一緒にいて変なのに目ェ付けられるよりましじゃねーか?」

ヤソップが○○を見ながら首を捻る。

「いやいや、下手に飛んでて大砲の玉とかに当たったら危ねェだろ?」

ルウは肉にかぶり付きながら言う。

「大砲来ます!」

「弾き返せ」

見張り番の声にシャンクスは冷静に答える。


ーードーン


大砲敵船から撃たれ


ーードーン


レッド・フォース号からも大砲が放たれると、見事に大砲かを撃ち落とした。

「凄っ!!」

○○は目を見張った。

「当たり前だろー!この船は四皇の船だぞー」

周りの海賊達がウキウキと戦闘に喜んでいた。

「よんこう?前にも聞いたけど……」

○○はシャンクスを見上げる。

「それ、何?」


「……………………」


○○の声が届く範囲の人間の動きが止まった。

「え?え?」

○○は静かになった甲板に戸惑いを感じた。

「あー、まぁ、こう言う時“異世界人”って感じだよな」

ヤソップがケラケラと笑った。

「お頭、だせェ!!」

ルウも大口を開けて笑う。

「残念だったな」

ベックマンはぽんとシャンクスの肩を叩く。

「え?あ、あの?」

○○は鳴り続ける大砲の音を気にしながらもシャンクスを見上げる。

「…………まぁ、追い追い」

シャンクスはため息をついて笑った。

「取り合えず、○○は俺の近くにいろ。目の届かない所で何かあっても困るからな」

「わっ、とと」

シャンクスに手を引かれ、黒いマントの後ろに隠される。

「よし!野郎共!!開戦だぁ!!」

「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」

シャンクスの声に赤髪海賊団は大きな声で答えた。

○○は男達の大声にクラクラと目眩を覚えた。





「四皇赤髪のシャンクスだな!!」

敵船がレッド・フォース号に横付けされ、敵の船長らしき男が叫んだ。

「おー!よく来たな!何か用か?」

シャンクスは気軽に話しかける。

(大砲で攻撃されてこの余裕……)

○○は少々呆れながらシャンクスの影から顔を出して敵を見る。

「あ、フック船長みたい……」

○○はポツリと呟いた。

「なんだー?知り合いか?」

ルウが肉を食べながらの○○を見る。

「え?いいえ、まさか!子供の時に見た絵本の海賊に似ていたもので」

○○はルウにそう返した。

「おい!ほのぼの話すな!!」

敵の船長がそう怒鳴る。

「ひぃ……」

○○は慌ててシャンクスの後ろに隠れる。
どんなにシャンクスの後ろにいても、やはり怖い物は怖い。

しかし、邪魔にはなりたくないので、シャンクスには触れないよう我慢した。

「おいおい、そんなに怒鳴るなよ。うちのお姫さんが怖がるじゃねーか」

ヤソップの言葉に赤髪海賊団達はケラケラと笑った。

「っ!!野郎共!!赤髪を撃ち取れェ!!!!!」

「「「おぉぉぉぉ!!!!」」」

敵船からヤル気満々の海賊達が板をかけてレッド・フォース号へと乗り込んで来た。

「あわわ」

○○は慌ててその様子を見る。

「大丈夫だ。名が上がるとな、良くある事だ」

海賊だしなとシャンクスは楽しそうに笑った。

「お前はもっと堂々としてろ、赤髪海賊団のクルーになるんだろ?それに女なら勝利の女神にでもなってくれよな」

○○の頭を撫でる。

「ん?」

○○は不思議そうに首を傾げる。

「船に女を乗せるのは縁起が悪いんだとよ」

ルウが声を出した。

「え?」

「…………海の神は女の神でな。女を乗せてると神が嫉妬して船を沈めるんだと」

ベックマンが煙草を吹かす。

「え?ええ?だ、って、あれ?」

でもシラパが乗ってると言おうとすると、男達の戦いが始まる。

「ここまでは来ねェよ。来てもお頭の後ろが一番安全だぜ」

ヤソップが笑いながら銃を構える。

「すぐに終わるさ」

シャンクスはそう笑い、戦闘の様子を○○から隠した。

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