14
「あ、島が見えてきた!」
○○は進路の先に新しい島が見えてきた事に気付く。
「そうだな」
鷹の目は椅子で寝ていたが、しっかりと声を出した。
「あそこに行くの?」
「そうだ」
「何があるのかなぁ?」
○○は新しい島に楽しそうに思いを馳せた。
「何もない」
「え?」
「無人島なはずだ」
鷹の目は表情を代えずに言う。
「そっか……残念。じゃあ、何するの?」
○○は不思議そうに鷹の目を見上げる。
「行けばわかる」
鷹の目はそれだけ言うと黙り込んだ。
「そっか」
○○は素直に頷いた。
程なくすると、島に着く。
「ここにいろ」
「はい」
鷹の目がそう命じるのに○○は素直に頷いた。
鷹の目は崖の下へ船を付けると、ひょいと跳んで陸へ着いた。
「うわぁっ!!」
「鷹の目っ!!貴様何しに来た?!!」
海賊達が騒ぎ立てる。
「さわぐな。お前達に用はない」
鷹の目は堂々と武器を抜く海賊達の中を歩く。
「幹部どもはどこだ?こんな島でキャンプとは……呑気な男だ…」
鷹の目は呆れた様に声を出す。
「か、か、か、頭ーー!!!」
海賊の一人が急いで走る。
「ん?よう、鷹の目。こりゃ、珍客だ」
赤い髪の男が重々しく声を出す。
「俺は今気分が悪いんだが……。勝負でもしにきたか?」
「ふん……片腕の貴様と今さら決着をつけようなどとは思わん」
鷹の目は鋭い目で睨み付けながら声を出す。
「面白い海賊達を見付けたのだが、ふと、お前が昔していた話を思い出した」
鷹の目はぴらりとルフィの手配書を差し出した。
「ある小さな村の……面白いガキの話……」
鷹の目の話を聞きながら、赤い髪の男が食い入る様に手配書の少年を見る。
「何?!まさか!!!来たか、ルフィ!!!」
赤い髪の男が楽しそうに笑った。
「おい、みんな!!のむぞ!!宴だァ!!」
急に赤髪は楽しそうに宣言する。
「飲むってあんた、今飲みすぎて苦しんでた所じゃねェか!!」
幹部の一人が厳しい突っ込みを入れる。
「ばかやろっ!!こんな楽しい日に飲まずにいられるか!!鷹の目!お前も飲んでけ!な!!」
赤髪はだははと笑った。
赤髪海賊団は宴好きな様で、手早く宴の用意が行われていた。
「ほれ!飲め!!」
赤髪は上機嫌で鷹の目に酌をする。
「そう言えばお前の噂話も聞いてるぞ!最近女連れてるらしいじゃねェか!!」
赤髪はニヤリと笑った。
「ああ」
鷹の目は事実だと肯定する。
「本当だったのか?!今は連れてないのか?」
赤髪はキョロキョロと辺りを見回す。
「船に残して来た」
「何だよ!連れて来いよ!誰か!鷹の目の女を連れて来い!」
赤髪はそう近くの海賊に命じた。
「……崖の所だ」
「だってよ!」
鷹の目の言葉を赤髪はそう加えた。
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