04
「う……わぁ……」
部屋に入ると○○は目を疑った。
日本にいる時でさえ見た事が無いような高級ホテルの部屋。
部屋がいくつあるのかと言う広さに、リビングも上品なソファとローテーブル。
その上にはウェルカムフルーツやドリンク、チョコなどが置かれていた。
鷹の目は綺麗なソファにどかりと座ると、帽子をテーブルに投げる。そして、着ていた上着もその辺に投げた。
「ちょ、鷹の目!服がシワになるよ?」
○○はついつい服を拾うとハンガーにかける。
また、帽子もかけた。
「……気にせん」
「いや、そこは気にした方が……」
○○は鷹の目にびくつきながらも意見をする。
「ぬしは変わっているな。俺に恐怖を抱いている癖に、意見する」
鷹の目は不思議そうに声を出す。
「そ、そりゃ怖いよ。訳も分からずに連れて来られてるし。本当だったら、ルフィくん達と一緒にグランドライン入ってシャンクスに会う」
「ここはグランドラインだ」
「はず……え?」
ブツブツと不満を言い始めた所で鷹の目の言葉に○○が反応する。
「ここが?」
「そうだ」
「え?だって、大変なんでしょ?グランドラインに入るのって?」
○○はパニックになったまま聞く。
「俺には簡単な事だ」
鷹の目はウェルカムドリンクのワインを開けた。
「……さすが世界一の大剣豪!!」
○○は目を丸くして驚きながら、素直に鷹の目を褒める。
「ぬしは赤髪の知り合いか?」
「え?は、はい」
鷹の目の質問に首を縦に振る。
「えっと、シャンクスと貴方はお友達……」
「友人などではない」
鷹の目はきっぱりと否定する。
「そ、そうなの?あんなに楽しそうに話すものだから、てっきり……」
○○は不思議そうに声を出す。
「ずいぶんと赤髪と仲が良いのだな」
鷹の目はすっと立ち上がると○○の前に立つ。
「え?いや……まぁ」
○○は照れ臭そうに言う。
「あの、もしかして鷹の目はシャンクスがどこにいるか知ってるの?」
○○はじっと鷹の目を見上げる。
「知らん、が、探す事は可能だ」
「っ!!ほ、本当?私、シャンクスに会いたいの!!」
鷹の目の言葉に○○の顔がぱぁっと明るくなる。
その顔を見た鷹の目は、苛立ちと共に○○の顎を掴む。
「ならば、俺の機嫌を損ねん事だな」
至近距離から鋭い目線と低い声に○○の心臓は壊れそうな位の速さでバクバクと脈打った。
「は、はい」
カラカラと口の中が乾きながらも、何とか頷いた。
(ひぃぃぃ!やっぱり怖い!!)
聞けば答えてくれるので、良い人なのかと思いきや、やはり○○に取っては恐怖の対象のようだ。
「まぁ、気が向いたら連れて行ってやる」
「あ、ありがとう……」
「逃げても良いが、ここはグランドライン。何があっても助けん」
「に、逃げないので助けてください!拐ったんなら最後まで責任取って!」
○○の可笑しな言い分に鷹の目は少し表情を和らげた。
「ぬしが俺の機嫌を損ねなければな」
(ひぃぃぃ!!!)
鷹の目のニヤリとした笑いはやはり○○に取っては恐怖に感じるようだ。
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