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「しら!おかしら!お頭!!」
「ぐ……痛ぇ……」
「お頭!!生きてたか!!」
おおお!と言う歓声と共にシャンクスは起き上がった。
「お前ら……」
シャンクスはぐるりと自分の船員達を眺めた。そして、見上げるとレッド・フォース号だと分かる。
「津波になんか拐われやがって!」
「本当だ!お頭コノヤロー!!」
ヤソップやルウ達が次々にシャンクスの帰還を喜んだ。
「そうだな。心配かけて悪かったな」
「全くだ。海賊の頭と言う事を忘れるな」
「ベック……すまんな」
副船長であるベン・ベックマンにすまなそうに謝る。
「そうだ、○○は?」
シャンクスは立ち上がりながら辺りを見回した。
「○○?誰だ?」
ベックマンは眉間にシワを寄せた。
「?俺と一緒に来た女だ」
シャンクスは不思議そうに首を傾げた。
「いや、お頭あんた一人だったぜ?」
ヤソップがそう頷いた。
「っ?!何だって?途中ではぐれたか。あの流木で……」
シャンクスは慌ててベックマンを振り返る。
「あいつ、一人じゃすぐ死んじまう!とにかく探してくれ!」
シャンクスは必死に言う。
「…………分かった。とりあえず落ち着け」
ベックマンは煙草を吹かした。
しかし、○○の消息を掴む事は出来なかった。
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