07
「……朝」
カーテンを開けて○○は呟いた。
シャンクスの誘いを保留してしまった○○。
胸はドキドキと高鳴ったまま、ほとんど寝ずに夜が明けてしまった。
「起きよう!今日からまた一週間が始まる!」
○○は気合いを入れるとは着替える。顔を洗い、化粧をした。
朝食の準備をしていると、部屋からシャンクスが出てきた。
「おはよう、シャンクス!私今日から仕事だから、構ってあげられないけど、適当にしててね」
○○はテーブルに朝食を並べながら言う。
「おー、御苦労さん」
シャンクスはにかりと笑った。
ぱくぱくと素早く食べると○○は慌ただしく支度を済ませる。
「なぁなぁ、俺も行って良いか?」
シャンクスは身支度を整えた○○に聞く。
「え?」
「別に仕事場で邪魔しねーよ。ただここで待ってても暇だからな。近くまで行ったらブラブラするよ」
シャンクスはそう○○を見る。
「うーん。良いよ。邪魔しなければね」
○○はシャンクスの申し出を許可した。
「おし!」
「あーっと、じゃあ、これがお財布で……5000円で良いかな……」
○○は不安そうにシャンクスを見る。
「ああ。昨日の金もあるしな」
シャンクスはズボンのポケットから1000円札を出した。
「……そう。じゃあ、これね」
○○は小銭入れを渡す。
「悪いな」
シャンクスは困った様に笑った。
「良いよ!海賊行為されても困るしね」
○○は楽しそうに笑った。
「お願いだから、問題は起こさないでね!」
○○はそう言うとシャンクスは「おう」と返事をした。
2人は家を出る。
駅を通り抜け、会社の近くへ行くと何故か人だかり。
「何かあったのかしら?」
○○は急いで人だかりに入る。
「○○!!」
「何があったの?!」
挨拶も無しで友人に話しかける。
「これ!」
「なになに?……え?」
張り紙を指差す友人に従い張り紙を読む。
そこには、倒産と従業員に保証も出来ないと書かれていた。
「え?なにこれ?!」
○○はぽかんとする。
「夜逃げみたい!何なの?!」
友人もそこにいる同じ会社の従業員達は怒りに満ちていた。
「せ、説明会とかないの?」
○○は口を開く。
「うん。何か、社長以外にも幹部連中にも連絡が取れないみたい」
友人は怒りを露に言う。
「っ!!……ど、どうしよう……」
○○は呆然と立ち尽くす。
「上に立つ奴として最悪な人間だったみたいだな」
シャンクスが○○に言う。
「…………うん」
○○は呆然としながらもシャンクスの言葉に頷いた。
「っと、○○!!誰このイケメン?!」
友人はシャンクスを見上げて○○の肩を叩いた。
「あ……えっと」
「○○の新しい彼氏?やっと別れたの?!」
友人は嬉しそうにシャンクスを見上げた。
「え?!いや、違っ」
「まあな」
シャンクスはニヤリと笑うと○○の肩を抱き寄せた。
「そっか、そっか!いや、心配してたからね!とりあえず良かったわ」
友人は嬉しそうに笑った。
「……」
○○は仕事を無くしたショックから立ち直れずにいた。
「なぁ、その社長ってのはどんな奴なんだ?」
シャンクスは友人に向けて色々と質問を繰り返していた。
「○○、とりあえず帰るぞ」
シャンクスは一通りの情報を聞くと○○を引っ張り家に着く。
「ちょっと出てくる」
シャンクスが言うのを○○の手が止めた。
「○○?」
シャンクスは呆然としたままの○○を覗き込む。
「シャンクス……」
「大丈夫だ。俺に任せておけ、な?」
シャンクスはにかりと笑うと部屋を後にした。
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