出会い編03
※一部18禁とまではいかなくても、そう言う表現があります。
苦手な方、18歳未満の方はご遠慮下さい。
正直なところ、やすはこの展開について行けなかった。
「だっはっはっ!こいつ馬鹿だな!!」
テレビのバラエティー番組を見て大笑いをしているのは、最近知り合ったシャンクスと言う男だ。
はっきりとした素性も分からず、よくスーツで来るので働いてはいるようだ。
「…………」
あの時以降シャンクスがやすを抱く事はしなかった。
と言うか、このシャンクスと言う男。大の酒好きで、あの時もたくさん飲んでいた。
正直なあんなに飲んで機能したかが最近怪しくなってきた。
きっと、ヤろうとして服を脱がせて色々したまでは良いが、結局勃たないので諦めた。と言うのがやすの推測であった。
(もう痕もとっくに消えてるし、もう来なくても良いのに)
やすはそう考えながらも何となく怖くて何も言えなかった。
「出来ましたよ」
やすは小さなテーブルに餃子を並べていく。
「おォ!!旨そうだな!」
シャンクスは嬉しそうに笑った。
「良いんですか?」
やすはシャンクスの手に缶ビールを握らせる。
「何が?」
シャンクスは片手で器用にプルタブを開けると旨そうに飲んだ。
「にんにくも韮も入ってるからこれからデートする人には不向きですよ」
やすはご飯をよそり、味噌汁も用意した。
「あ?あー。そうな」
シャンクスは頷くと醤油と酢とラー油を小皿に入れた。
「餃子ってね、柚子コショウも合いますよ」
やすはチュウブの柚子コショウを勧める。
「お!よし。頂きます!」
「召し上がれ」
シャンクスは餃子を口にいれる。
「お!旨い!」
シャンクスは目を瞬かせた。
「そうですか?良かったです」
やすも餃子を食べる。
「うん!美味しい」
やすは満足そうに頷いた。
「良いのか?デート出来なくなるぞ」
シャンクスがお返しとばかりにニヤリと笑った。
「良いんです。そんな相手いない事くらいシャンクスさんが一番知ってるじゃないですか」
やすはため息混じりに言う。
暇さえあれば来る男のせいで、友達と出かける事すらままならないのだ。
そのお陰で振られた事すら気にならなくなったが。
「それはそれで複雑だな」
シャンクスが苦笑いする。
「だから、してないから責任とか感じなくて良いっですってば!」
やすは呆れた様に言う。
「絶対ェヤってるって!なら、ここで既成事実作るか?」
シャンクスが口を突き出す。
「何を言ってるんですか」
やすは呆れた様に声を出す。
「よし!じゃあ」
「へっ?」
腕を掴まれるとそのままグイッと床に組み敷かれた。
「ちょっ」
「片手だからって、舐めんなよ?」
至近距離でニヤリと笑われ、心臓の鼓動が速くなる。
シャンクスの顔が近付いて来て、思わず目をきつく閉じる。
唇に少しかさつくモノが何度も触れる。
今まで手を出して来なかったので、油断していた。
無理矢理唇をこじ開けて舌をネジ入れる。
押し返そうとする両手をモノともせずにシャンクスはやすを攻める。
閉じる足を無理矢理開かせ、体を入れる。
そろりと目を少しだけ開くと見た事の無い熱い鋭い目をしたシャンクスがいた。
「怖いか?」
シャンクスの静かな声にやすは無言で頷いた。
「俺もだ」
シャンクスは少し笑った。
「何が?」と聞く前にシャンクスの舌がやすの首を舐めた。
「やっ!」
やすが必死に抵抗をする。
だが、シャンクスの攻めは弱まらない。
必死で赤い髪を引っ張るがシャンクスは動じない。
それどころか、やすの抵抗する力が弱まっていく。
「っ!」
「何だ、濡れてるじゃねェか」
いきなり指を入れられ声にならない悲鳴を上げる。
それにシャンクスが気を良くする。
「大丈夫。すぐに俺にしか反応しない体にしてやるからな」
ニヤリとシャンクスが笑うのを死の宣告の様に感じた。
心が、体が、シャンクスと言う男に乗っ取られる感じがした。
「これでやす、お前は俺のモンだからな」
ニヤリと笑ったシャンクスの顔。
「…………うん」
やすは赤く照れながらも幸せそうに微笑んだ。
泣き虫な君にハンカチを「やすの泣き顔ばっか見てるな」
「ふふ、そうだね」
「嬉し涙いっぱい流させてやるよ」
「うん!ありがとう」
「今度ハンカチいっぱい買わなきゃな」
「うん!」
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