04
ーーバタンッ
乱暴に玄関を閉める。
靴を脱いでベッドへ身を投げた。
「…………うぅ」
やすは枕に顔を突っ込んで泣いた。
「何で?何で?!」
やすは訳がわからなかった。
昔から流されやすい性格はどうにかしなくてはと思っていたが、まさかそんな大会社の社長に遊ばれるとは思いもしなかった。
「…………シャンクス」
やすはすがり付きたい気持ちで呟いた。
「なんだよ」
「っ!!!」
その声に驚いて顔をあげる。
玄関を開けてシャンクスがそこにいた。
「な、んで?」
「合鍵」
シャンクスが鍵をちらりと振って見せた。
「それに誤解されたまま手放せないほど、俺はお前に執着してるし、愛してるんだ」
シャンクスは靴を脱ぐとベッドへと膝をつける。
「っ!なっ!」
やすは驚いてシャンクスを見る。
「俺はあの時自由席に乗って良かったと思ってる。泣いてるお前の隣に座った事は運命だったとも思える」
「しゃ、」
「それに俺を、赤髪の社長としてじゃなくて、ただのシャンクスとしてお前に見て欲しかったんだよ」
シャンクスは愛しそうにやすを見た。
「やすが赤髪の社長よりただの俺を選んでくれた事がすげェ嬉しかった」
「……シャンクス」
「だから、消えないでくれ。俺のモノだけでいて欲しいが、そうも行かないだろ。だから、せめて俺の隣にいて欲しい」
シャンクスはやすの頬をただ一つの手をそえる。
「俺だって完璧じゃねェ。片手だしな、顔に傷もある」
シャンクスは真剣な顔で言う。
「俺にはお前だけで良い」
シャンクスはやすに口付け、やすもそれを受け入れた。
「わ、私もシャンクスなら、どんなシャンクスでも好き。シャンクスだけが居てくれれば良い」
やすはそっと涙を流した。
「ありがとう。ほら、今日は持ってるぞ」
シャンクスはポケットからそれを取り出した。
泣き虫な君にハンカチを「今度は俺の家にも来てくれるか?」
「行って良いの?」
「あァ。広いだけで冷たい部屋だか、やすがいればそれで良いな」
「うん。じゃあ、今度行く!」
「今度?今からだろ!」
「へ?」
「よし!行くぞ!」
「え?え?え?!」
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