02
そして、放課後は訪れた。
「おーい、□□!」
来い来いとシャンクスに呼ばれマスミは職員室までやって来た。
「ほら、お待ちかねの!」
そう言いながらシャンクスはにかりと包みをマスミに渡した。
「ありがとうございます!シャンクス先生!」
マスミはぱぁぁと輝かせながら包みを受け取る。
「開けないのか?」
「開けて良いですか?」
「当然!」
シャンクスが自慢気に頷いた。
「では、さっそく」
丁寧に包みを開けて中身を見る。
「うわぁ!チョッパークッキー!」
中身は今人気のチョッパーを形にした手作りクッキーだった。
「すごーい!チョコでちゃんと顔も書いてある!可愛い!」
マスミは興奮気味に可愛い可愛いと大絶賛した。
「まァな!俺の奥さんの手作りだからな!」
だっはっはっ!とシャンクスは自慢気に大笑いをした。
「お、マスミ。良い所にいたよい。ほら」
職員室から丁度出て来たマルコがやはり包みを渡してきた。
「ありがとうございます!マルコ先生!あ!開けても良いですか?」
マスミはやはり嬉しそうな顔をしてマルコを見上げた。
「あァ」
マルコは少しだが照れ臭そうに笑った。
「っ!こっちはベポ!!」
「ベポ?」
「っ!わぁ!!」
急にすぐ近くから声がして、マスミは驚いて声を上げた。
「テメェ!近過ぎだ!!」
「離れろ!!」
更に声がしたと思えば、キッドとエースによって殴られたローがマスミから引き離された。
「おー!悪童3人組」
シャンクスがニヤニヤと笑った。
「お前らかよい」
呆れた様にマルコが3人組を見た。
「ふん、ベポに似てるじゃねェか」
ローが少し高いマルコを見上げる。
「あァ、うちのかみさんが昨日頑張ってたからな」
マルコは少し照れた様に言う。
「マルコ先生の奥さんもシャンクス先生の奥さんもお料理上手で有名なんだよ」
マスミはにこりと嬉しそうに笑った。
「……そうなのか」
3人組はへぇーと頷いた。
「まァ、俺はベポに一票だな」
ローがマルコの包みを指差す。
「あ!俺はチョッパーだな!」
エースがにかりとシャンクスの包みを指差す。
「「ほー」」
マルコとシャンクスが同時に声を出す。
「□□はベポだよない?」
マルコが怖い笑顔でマスミを見下ろす。
「ふざけんな。□□は俺のクラスの生徒だ。チョッパーだよな!」
やはり怖い笑顔でシャンクスに見下ろされるマスミ。
「え?え?」
マスミは困った様におどおどと一歩後退る。
「「なァ、□□?」」
ゴゴゴゴゴ!!!と言う地響きが聴こえそうな2人がマスミに詰め寄った。
「おい、止めろ!変態先公共!!」
キッドがマスミを背にし、2人の先生の間に立ち塞がる。
「うるせェ!!」
「じゃあ、テメェはどっちだよい!」
シャンクスとマルコが今度はキッドに詰め寄る。
「あー?どっち(で)も良いんじゃねェか?」
キッドが呆れた様に言う。
「良くねェ!」
シャンクスが噛み付く様に言う。
「あー!うるせェ!!」
「へ?ちょっ!キッド君!」
キッドは青筋を浮かべながらマスミを担ぎ上げた。
「あ!おい!キッド!!」
エースが叫ぶ。
「ここはうるせェから、移動する」
キッドは当然の様に言うと歩き出した。
「だが、テメェにマスミを触らせておくのはムカつく!」
ローはげしげしとキッドを蹴る。
だが、マスミがいるので大人しくだが。
「お前ら!気を付けて帰れよい!」
マルコが4人に声をかける。
「おーい!マスミ!パンツ見えそうだぞ!気を付けろー!」
シャンクスが笑いながら声を出した。
「っ!!!」
マスミは慌ててスカートを押さえた。
「この変態教師!」
エースがシャンクスに叫んだ。
「ったく、騒がしい奴らだよい」
マルコは首の後ろに手を当てた。
「あァ、でも□□のお陰で最近は穏やかだよな」
シャンクスがにかりと笑った。
「…………なぁ」
「ん?」
「マスミに好きな奴出来たらどうなるんだろうねい?」
マルコは眠たそうな目のまま口を開いた。
「…………怖い事言うなよな」
シャンクスはげんなりしながら言った。
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