耐える事2
※18禁と言うより、ヒロインが妊婦です。苦手な方はお引き取りください。
2人は車から降りると並んで歩く。
自然に手を繋いだ。
久し振りの温もりに○○は嬉しそうに笑った。
エレベータに乗り、部屋のある階まで上る。
2人の間には特に言葉はなかった。
シャンクスの言い分では、三大欲求と言うものは、ひとつが欠けても他の2つが充実していれば満たされると言われたらしい。
だから、食事はいつも量を増やしていた。
疲れれば欲も減るだろうと仕事を増やし、どうしても我慢が出来ない時は深夜営業のバッティングセンターへ行き、汗を流したのだ。
それが浮気を疑われる原因になったのだが。
「…………鍵かけないとか不用心過ぎるだろ」
シャンクスはため息をついた。
「だ、だって!さっきはこれを逃したら今度こそ離婚だと思ったから!」
○○は照れ臭そうに早口になった。
「悪かったよ」
シャンクスはぽんぽんと○○の頭を叩いた。
2人は喋りながら寝室までやって来た。
「でも、良いのか?」
シャンクスはベッドの上で向かい合う様に座った。
「うん。安定気入ってるし、気分も悪くない。それに、これ以上待たせてもシャンクスが可哀想で……」
○○は困った様に眉尻を下げた。
「…………注意する事とかあるか?」
シャンクスがぐっと何かを堪える様に聞く。
「えっと、感染症を防ぐためにゴムはちゃんとしてね。後深く入れない事と、胸には刺激を与えない事」
「胸?」
「うん。子宮が収縮しちゃうのが良くないみたい」
「ふーん?」
「後、痛みがある時とかはダメ」
「なるほどな」
シャンクスは頷いて、情報を頭の中で確認した。
「痛みが出たらすぐ言えよ?」
シャンクスは優しく○○を押し倒した。
「う、うん」
「何緊張してんだよ」
シャンクスがニヤリと笑う。
「正直そう言う気分になるのかな?って思いと、久し振りだなって思いと、大丈夫かな?って思いと……」
不安そうにする○○。
「そうだな。濡れないと痛いだろうしな」
シャンクスはゆっくり近付くと○○に口付けた。
「ん、それと」
「ん?」
何だとシャンクスは○○を見下ろす。
「あのね、もう少しお腹出てきてるから、シャンクスがどう思うのかなぁ……って」
○○は困った様に言った。
「そっか」
シャンクスは少し考えてからペロリと服を捲る。
「少し……出て、る?か?」
シャンクスがお腹を撫でる。
「んっ、……どうせ元々出てますよ」
「いじけるなよ」
「……」
シャンクスが楽しそうに笑った。
久振りに直接触る素肌にシャンクスが喉を鳴らしたのが○○には解った。
「シャンクス」
「ん?」
「や、優しくしてよね?」
「…………」
○○の困った顔に見上げられ、シャンクスの体がドクンと脈打った。
「で、できる限りな」
「やっぱり止めとく?」
シャンクスの表情に○○は不安を覚えた。
「ここまで来て無理な事言わないでくれよ」
シャンクスは○○の服を脱がし始めた。
「大丈夫か?」
シャンクスは後始末を終えるとベッドに転がった。
○○を優しく抱き寄せると腕枕をする。
「ん、意外と大丈夫みたい」
○○はシャンクスにくっ付いた。
「腹とか痛くないか?気持ち悪いとかないか?」
シャンクスは心配そうに聞く。
「大丈夫だよ。心配し過ぎ」
くすくすと○○は笑う。
「いや、だってよ」
シャンクスは少しばつの悪そうに頭をかいた。
「シャンクスは?」
「ん?」
「大丈夫?」
「え?お、おぉ!大丈夫だ!」
シャンクスはにかりと笑った。
「2週間に一回くらいなら付き合ってあげるよ」
○○はにこりと笑った。
「は?無理だ!無理無理!○○の肌に触っちまったんだ!そんな我慢出来る訳ねェ!!」
シャンクスは驚いて捲し立てた。
「え?いや、私こそ無理だよ」
○○は困った顔をする。
「……2日に一回」
「無理」
「…………3日」
「ごめん」
「………………4日」
「…………」
「わかった!1週間!1週間は我慢するから!」
シャンクスは頼むとベッドの上で頭を下げた。
「…………ま、まァ、浮気されても困るし。考えておくね」
○○は必死のシャンクスに少し引き気味になった。
「浮気はしねェよ。何があろうと」
シャンクスなにかりと笑った。
「……うん」
○○はにこりと笑った。
耐える事2
そのまま一度口付けを交わした。
「じゃあ、お休み」
「え?」
「ん?なに?私眠たくなっちゃったよ」
「あ、あァ。寝るか」
「うん、お休みなさい」
「お休み」
「…………スースー」
「……早ェ。本当に妊婦ってよく寝るな。……ってか、1日1回なのか。そんで1週間に1回?……」
「スースーむにゃ、シャンクス……」
「……………………プロ野球選手になれそうだ」