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R-18
と、までは行かないかも知れませんが、苦手な方、18歳未満の方はご遠慮願います。
今回相手はフリックなのですが、残念ながら恋人同士ではありません。
読む、読まないは自己責任でお願いします。ので、読まれた後の苦情は受け付けません。
OK!ドンと来い!!!な方のみどうぞ!
「え?」
○○は涙の残る顔でフリックを見上げた。
「俺が忘れさせてやろうか?」
フリックはもう一度同じ台詞を言い、ちゅっと、○○へ口付けをした。
「……」
○○はあまりの出来事に放心状態でフリックを見つめる。涙はいつのまにか止まったようだ。
フリックはフリックで、黙ったまま○○を見つめた。
「あ、の」
「ん?」
何か言わなくてはと口を開く○○へフリックが先を促す。
「あの、ね、フリック」
喋ってるうちに、言うべき事を思い出した。
「私、フリックに言わなきゃいけない事があるの……」
「どうした?」
不安そうな○○にフリックは眉根を寄せた。
「あのね、フリックに買って貰った猫のネックレス……あの人に取られちゃったの」
○○は不安そうにフリックを見上げた。
「……あの、ミューズで買ったやつか?」
「うん」
至近距離で覗き込まれ、○○は頬に熱が集まるのを感じた。
「……そうか」
フリックは苦笑しながら○○の頭を撫でた。
「…………そ、それとね」
「ん?」
「……あの、あ、あの人に触られた時ね。これがフリックやビクトールだったらどんなに良かったかなぁって……思ったのも、事実で」
○○は恥ずかしそうにうつ向いた。
「だ、だから、フリックがそう言ってくれるのは、うれしぃ」
○○の言葉を全て聞かないうちに、フリックは口付けをした。
「ん……」
最初は触れるだけだが、次第に深くなる。
○○は目を閉じているうちに、シードとの行為を思いだし、
「いっ」
フリックの声に我に返った。
「ご、ごめん!フリック!大丈夫?」
気が付けば、フリックの唇を噛んでいた様だ。
フリックの唇からは、血が滲んでいた。
「……」
「ご、こめんね!フリック。……私……やっぱり……」
親指で唇をぐいっと拭い、取れた血を見て考え込むフリックに慌てて○○は謝罪する。
「フリック」
不安そうな○○の顎を掴み、上を向かせると視線を合わせる。そして、また唇を合わせる。
「っ!」
驚き目をぎゅっと閉じる○○。
「こら、目を開けろ」
優しいフリック声に○○は恐る恐る目を開ける。
フリックは自分のおでこを○○のおでこへ付ける。
「怖かったら目は開けておけ。目を閉じてたら誰が触ってるのか分からなくなるぜ」
フリックは穏やかにそう言った。
「……うん、ありがとう」
○○は嬉しそうに笑った。
「よし、っと」
「わわっ!」
フリックは軽々と○○を抱いたままベッドの上に胡座をかくと、その上に○○を横抱きに座らせた。
「ほれ、こっち向けよ」
横を向く○○の両頬を優しく挟むと自分の方へと向かせ、口付けをする。
「ん……は……」
フリックの舌に翻弄されながら、時折目を開け、確認する○○。だが、その度に間近で見てしまうフリックに恥ずかしくなる。
「んん!」
フリックはゆっくりと手を動かし、○○の足を触る。
それに驚いた○○だったが、口付けから解放される事はなかった。
つつーっと指の腹で○○の足を触るフリック。その度にビクリと反応がある事に煽られて行く。
「っふぁ……」
フリックはぐいっと○○の足を持ち、自分に跨がらせる様に座らせた。
「……」
「顔、真っ赤」
「なっ!!」
「ぷっ」
「フリック!」
フリックはクスクスと○○を見て笑った。それに余計恥ずかしさが増し、○○は怒る。
「悪い、悪い」
フリックは笑いが収まらずにいた。
「もー。んっ!」
笑いながら、フリックの手は動きを再開させた。
無遠慮にスカートの中に手を進める。
「はぁ……可愛いな」
フリックは○○の肩に顔を埋めながら声を出した。
「へ?あ、うん、可愛いよね!この服!」
○○はヒルダに用意して貰った服を見た。
「……」
「?」
動きを止めたフリックを不思議そうに見る。
「いや、そうだな。こう言うの着ないもんな」
フリックは肩に顔を埋めたまま喋る。
「ふふ、くすぐったいよ」
○○はフリックが喋る度に身をよじる。
「汚したらまずいよな」
フリックは○○の背中に手を回す。そしてワンピースのファスナーを見付けると一気に下ろした。
「わっ」
「……おい」
フリックがそのままワンピースを脱がせようとしたが、○○の手に阻まれた。
「あ、あの……えっと」
○○がわたわたと慌てる。
「……」
「いやね、別に嫌じゃないんだけど……。嫌いにならないでね」
○○は不安そうに笑いながら自分の手を退けた。
「…………なるほど、な」
「……」
脱がせると素肌が現れた。そこにはシードが付けた痕がまだくっきりと数多く残っていた。
○○は辛そうに顔を歪めるとフリックから顔を背けた。
「んっ!」
フリックはシードが付けた印に口を寄せて強く吸い上げる。
丁寧にひとつひとつを自分の印に変えていく。
シードの時と違い、背中がゾクゾクと気持ち良い感覚に目眩がした。
「これで、よし」
フリックは満足気に頷く。
「フリック……あ、ありがとう」
○○は恥ずかしそうに笑い真っ赤になりながら、赤く色付いたそれらを見下ろした。
「ーーーったく!」
自己主張の強いシードにイライラとしていたフリックだったが、○○の笑顔にどくんと体が鳴った。
「きゃっ!」
一瞬の浮遊感の後、背中には柔らかい感触。そして、フリックの後ろに天井が見えた。
フリックが○○の体をベッドへと押し倒した。
「よっと」
フリックは自らのシャツも脱ぎ捨てた。
「……」
「あ?見てても気持ちの良いもんじゃないだろう?」
○○はフリックの上半身に目が釘つけになった。
いつもは殆んど露出がないフリックの体には無数の傷があったのだ。
「……痛い?」
○○は傷のひとつに触れながら問う。
「いや。古傷も多いからな」
フリックは触られる感覚にぞくりと体を震わせるが、平常心で答える。
「これは?何だか一番深い……」
フリックの腹の辺りには一際目を引く傷痕が残っていた。
「あぁ、これか。これは、三年前に坊っちゃんを助けた時に矢で射されてな」
フリックも傷に手をやりながら口を開いた。
「矢?!それって大丈夫なの?」
○○は驚いた声を出した。
「あぁ、だからここにいるんじゃないか」
フリックは苦笑しながら○○を見た。
「……止めるか?」
「え?」
フリックは真剣な眼差しで言った。
「嫌なら止めるか?今ならまだ……」
「う、ううん」
フリックの言葉に○○は首を横に振った。
「ごめんね。久しぶりで緊張しちゃったのかな?」
あはは、と誤魔化す様に○○は笑った。
「なら、俺もだ」
フリックはそう言うと○○へと、優しく口付けをした。
明け方前に○○が目を覚ますと、隣にはフリックの姿はなかった。
「……そっか……」
○○は小さく呟くと、またベッドへ体を沈めた。
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