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いよいよロックアックスへとU主達は出陣して行った。

「さて、ほんじゃま、私達も準備しますか!」

バーバラが倉庫から色々と装備や何かを持ってきた。

「お!これだけあれば一軍隊に見えそうだな」

アレックスも楽しそうに笑う。

「あら、これなんて良いかしら」

ヒルダは楽しそうに笑った。

「なら、私はこれだね」

レオナも防具を身に付ける。

「あ!私こう言うのが良いなぁ!」

○○はバレリアやアニタ、ハンナの様な甲冑を手に取る。

「ダメよ!あんたはこれ!」

バーバラが差し出したのは白に赤い模様が描かれたローブだ。

「えー……」

○○は不満そうに声をあげた。

「そうだね。今回は魔法を派手に使うんだ。なら、見かけも派手に魔術師にしなきゃね」

レオナはニヤリと笑った。

「うーん……。そっか」

○○は残念そうに甲冑を置く。

「後は、はい!」

ヒルダが綺麗な石が付いたロッドを渡す。

「……これは?」

○○が不思議そうにロッドを手に取る。

「実はジーンさんとテッサイに手伝って貰って作ったロッドだ」

アレックスが自慢気に言った。

「へ?」

○○は不思議そうにロッドを見る。

「○○さん用に作って貰ったの。ふふ、シュウさんの計らいね」

ヒルダも楽しそうに笑った。

「おや、良いじゃないか」

レオナが笑った。

「本当に!似合う似合う!」

バーバラもにこにこと笑った。

○○はローブをすっぽり被って、ロッドを持った。

「お!どこからどう見ても魔術師だな!」

アレックスはニヤリと笑った。

「そ、そうですか?」

○○は少し照れながら笑った。

「よし、なら、行こう!」

バーバラが号令を出した。





「くそ!伏兵だ!」

フリックはそう叫んだ。

「ちっ!クルガンの奴か!」

ビクトールも叫びながら剣を振るった。

「っ!まさか、後ろを取られるなんて!」

U主も苦しそうに戦う。

「予想通りだな。よし!合図を出せ!!」

シュウはそう叫んだ。




「おっ!合図だ!」

騎士の様な服に身を包んだアレックスが言う。

「それじゃあ、行くよ!」

傭兵の格好のバーバラが勢いよく飛び出す。

「エイエイオー!」

弓を持ったヒルダもアレックスに続く。

「まったく、締まりがないねー」

鞭をもったレオナが妖艶に笑った。



「ジョウイさま!後ろを取られました」

王国兵が焦った声を出す。

「くっ!」

ジョウイが苦しそうに声をあげた。

「なに、大丈夫だ!行くぞ!」

シードがアレックス達の軍に向かう。



「来た!○○!やれ!」

アレックスが号令を出した。

「う、うん!」

○○はロッドを掲げ、集中する。

「っ!!」

すると凄まじい力がロッドに集まるのを感じた。



ーーキーン



「っ!!」

「がはっ!」

「うわぁぁぁ!!」

凄まじい魔法がシードの軍に襲いかかる。

「っ!あれは!まさか……」

シードはローブの間から見え隠れする顔に目を細めた。



「よし!奴ら怯んだよ!」

バーバラが力強く言う。

「もう……一回!!」

○○はもう一度魔力をロッドに集中させる。



「っ!また来るのか?!」

王国兵が焦った声を出す。

「退却だ」

ジョウイが苦しそうに声をあげた。

「ちっ!くそっ!」

シードは悔しそうに声をあげた。





「作戦通りです」

シュウは落ち着き払った声を出した。

「しかし、あの伏兵は誰だったんだ?」

フリックが不思議そうに聞く。

「ふー、何とかなったね!」

バーバラがにこにこと笑った。

「ふふ、ドキドキしちゃった」

ヒルダが笑いながらやってくる。

「俺がいるんだ。大丈夫に決まってるだろ?!」

アレックスもヒルダに並ぶ。

「ふぅ、やれやれ」

レオナも疲れた様にやって来た。

「き、緊張したー」

○○はロッドを握ったまま近付いて来た。

「……と、とりあえず良かった!」

緊張感の無さに、ビクトールが苦笑した。





「やっぱりお前だったのか」

フリックが呆れた様に○○を見る。

「えへへ。これ、どう?魔術師みたい?」

○○は嬉しそうにローブをフリックに見せた。

「そうだな」

フリックがローブの帽子を○○に被せる。

「これ被ると前が見えな」

○○が言い終わる前にフリックは○○の唇を奪う。

「じゃあ、行ってくるぜ!続きは帰って来たらな」

フリックはニヤリと笑った。

「っ!が、頑張って来てね!!」

○○は赤い顔をローブで隠して叫んだ。

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