片付く部屋3
また、箱に物を詰めた。
もう、3箱目だ。
「うわ、埃も溜まってる!掃除機!掃除機!!」
○○は掃除機を取り出して本棚の後ろを吸い込む。
すっかり軽くなった本棚は容易に動かせた。
「アルバム……。これは置いて行こうかな」
2人が仲良く写っている写真を集めたアルバムを本棚に戻す。
片付く部屋3
それから数回デートを重ねた。
シャンクスはいつ間にか付き合っていた彼女とは別れていた。
飽きたから丁度良かったのだろう。
シャンクスは○○の為に車を出した。
日程を合わせるのはいつも○○の役目。
社長であるシャンクスは忙しくて、約束した日でもドタキャンなども多々あった。
それでも、○○は楽しかった。
今までは同年輩としか付き合った事がなかったので、年上のシャンクスと話すのは知らない事だらけで楽しかった。
そして、4回目の海デートの時だ。
「あの、社長」
「その、社長っての止めないか?何だか仕事してるみたいでな」
シャンクスは苦笑する。
「そう、ですか?じゃあ……」
○○はくるりと振り返る。
「シャンクスさん」
「ん?」
「私、やっぱりシャンクスさんの事、好きです!付き合ってください」
○○がぺこりと頭を下げる。
すると、シャンクスは非常に驚いた顔をして、それから難しい顔をする。
「……やっぱり、ダメ、でしょうか?でも!全然諦めつかなくて!」
○○は海風に負けないように大きな声を出す。
「いや、なんつぅか、今更な気がしてな」
シャンクスは頭をガシガシとかいた。
「じゃあ、良いんですか?」
○○は恐る恐る聞く。
「あァ。こんなオッサンで良かったら」
シャンクスはにかりと笑った。
「あ!ありがとうございます!!」
○○は勢いよく頭を下げる。
「だっはっはっ、なんだそれ」
シャンクスは楽しそうに笑った。
そして、車で○○のアパートへと送り届ける。
「じゃあな」
「あ、あの!」
「ん?」
「お、お茶でも……」
○○は意を決してシャンクスを誘う。
「……………………あァ」
シャンクスは難しい顔をしながらも、頷いた。
「どうぞ!」
○○は嬉しそうにシャンクスを部屋に招いた。
「入るの二度目だな」
シャンクスは出されたお茶を飲みながら言う。
学生時代から変わらず同じアパートに住み続けている。
「そうですね」
○○はクスクスと笑う。
「変わってないな」
シャンクスは○○の顔をじっと見る。
「シャンクスさんも、あの時から変わらずカッコイイです」
○○はにこりと笑う。
「……」
シャンクスはまた難しい顔をする。
「……私の事、嫌い、ですか?」
「……いいや」
「……私の事、好き……ですか?」
「………………そう、だな」
シャンクスの反応に嬉しそうに○○は笑って、自らシャンクスに口付ける。
「……今日は、帰らないで、欲しいです」
○○が座るシャンクスにじわりと寄る。
「……」
○○がシャンクスを押し倒す様に口付けをする。
「んっ!」
くるりと体が回転し、○○とシャンクスの位置が入れ替わり、シャンクスに押し倒される形になった。
「……どうなっても知らねェよ?」
シャンクスがニヤリと笑う。
「わ、私が誘ったの!」
○○は真っ赤になりながらも声をあげた。