04

ハルが目を覚ますと部屋の布団の上だった。

「お、気付いたか?」

シャンクスの声にハルの頭は覚醒していく。

「あ、私……?」

ハルは体を起こした。

「風呂の中で倒れたんだよ」

シャンクスは「悪かったな」と謝る。

「え?あ!……いいえ。すみません。私こそ」

カーッと頬を赤くして首を振る。

「まァ、半分はハルのせいだよな?あんまりにも可愛いから」

楽しそうにシャンクスが笑う。

「…………」

ハルは困った様に火照る顔を撫でる。

「よし、なら飯だな。そろそろちょうど時間だ」

シャンクスが時計を確認した。


ーーコンコン


「失礼いたします」

タイミングよく仲居が現れ、部屋に食事の用意がされていく。

「わぁ!凄いですね!」

ハルは席につき、並べられた食事に驚いた。

「ありがとうございます。お飲み物はいかがいたしましょう?」

仲居はにこりと笑う。

「おれはビールだな。ハルは?」

「私も……。でも、オレンジジュースとかあればお願いしたいです」

シャンクスに聞かれ、ハルが言う。

「かしこまりました」

仲居が頭を下げた後、部屋を出る。

「凄い豪華ですね!食べきれるかな?」

ハルはうきうきとテーブルに並べられた綺麗な食事たちを見る。

「頑張れよ?」

シャンクスはにこりと上機嫌に笑う。


「失礼いたします」

仲居がビールとオレンジジュースの瓶を持って現れた。

テーブルに飲み物を置くと、大きな船盛も持ってくる。

「…………」

ハルはあまりの豪華さに無言になる。

「よし!食うぞ!」

シャンクスは嬉しそうに箸を持つ。

「っ!い、いただきます!」

ハルは口を少し開けてテーブルを見回す。

「あ!シャンクスさん、つぎますよ」

「お?そうか?」

ビール瓶を受け取り、シャンクスが差し出すグラスにハルは丁寧にビールをそそぐ。

「ん!ハルがついでくれると旨いな!」

「そうですか?」

ハルは嬉しそうなシャンクスにクスクスと笑った。

「美味しい!!」

ハルは感動したように口をもぐもぐと動かす。

「さすが高級旅館だな!」

シャンクスは船盛に並べられたマグロに箸を伸ばす。

「本当に!」

「でもさ」

「はい?」

シャンクスの声に不思議そうに反応する。

「俺はハルの飯のが旨いと思うな」

「っ!!あ、ありがとうございます!」

シャンクスの穏やかな顔付きにハルは嬉しそうに笑った。










「…………」

「何やってんだ?」

食事も終わり、のんびりとしていたが、ハルがおもむろに立ち上がり、窓の方に移動した。

「しゃ、シャンクスさん」

「ん?」

ハルは意を決してシャンクスを見た。

「お、お風呂入りませんか?」

「あ?」

「…………り、リベンジです」

ハルは顔を赤くしながらもしっかりとシャンクスの顔をみて言った。

「…………」

シャンクスは真剣な顔付きでハルに近付く。

「良いのか?」

「…………はい」

「次は止まらないぞ?」

「………………はい」

シャンクスの真剣な声にハルはしっかり頷く。

「お、お湯はぬるめでお願いします」

ハルはにこりと笑った。

「そうだな」

シャンクスはにかりと笑った。

[ 4/5 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -