02

2人はまだ時間が早いからと、温泉街を探検した。

ハルはエース、サボ、ルフィの三兄弟にお土産を買ったり、楽しんだ。

「ハルはあいつらに甘いな」

シャンクスが苦笑しながら嬉しそうにお土産を持つ妻を見る。

「そうですか?生まれ変わった私が初めて出来たお友達ですからね」

ハルはにこりと笑った。

「……そうか」

シャンクスは優しくハルの頭を撫でた。





一時間ほど散策をした2人は宿の部屋に戻ってきた。

「そろそろ予約してた風呂だな」

シャンクスが腕時計に視線を落とした。

「お風呂を予約?」

ハルは不思議そうにシャンクスを見上げる。

「あァ。さっき仲居さんも言ってたろ?」

シャンクスが不思議そうにハルを見る。

「…………き、聞いてませんでした」

ハルは怒られた犬の様にしゅんとする。

「珍しいな!まァ、あの時はそれよりこの部屋が気になってたもんな」

はははとシャンクスが笑う。

「取り合えず、着替えだけて良いみたいだからな。用意して行こう」

「はい!」

シャンクスの言葉にハルは頷いた。








「…………あの」

「ん?」

「ま、まさかと思うのですが」

「うん?」

「か、貸し切り風呂ですか?!」

「おう!」

戸惑うハルにシャンクスが笑う。

「……い、一緒に…………は、入る……とか?」

ハルは恐る恐る聞く。

「そりゃな。俺達以外いねェしな」

シャンクスが頷く。

家族風呂と書かれた部屋に入ると脱衣所だった。

温泉と言えども、貸し切り風呂だとしても、まさかシャンクスと一緒に入るとは思ってもみなかったのだ。

「…………えっと、何時まで?借りているんですか?」

ハルはシャンクスを見れずに聞く。

「45分までだ」

「……」

脱衣所にある壁掛け時計を見ると、まだ5時5分ほど。

「あ!なら、先にシャンクスさんが入って、後から私が」

「却下」

「…………」

ハルの提案をあっさり否定するシャンクス。

「俺達は夫婦だろ?何か問題でもあるのか?」

シャンクスがハルを覗き込む様にいう

「…………は」

「は?」

「…………恥ずかしい……です」

ハルは真っ赤になって、持っていた浴衣をキュッと抱き締める。

「うーん。今更じゃないか?」

「あ、明るいですし」

ハルは何とか説得しようと声を出す。

「なら、タオル巻けば良いさ」

シャンクスは積まれていたバスタオルを1枚ハルに渡す。

「……うぅ」

「先に俺が入ってるから、準備出来たら入って来いよ?」

シャンクスは有無を言わさない口調だ。

「もし」

「?」

「逃げたら、無理矢理脱がすからな」

それも良いかとにやりと笑う。

「っ!!?わ、解りました」

ハルは渋々了解をする。

シャンクスはさっさと服を脱ぐと浴室へと消えて行った。

少しして、シャワーの音が聞こえて来たので、意を決して服を脱ぎ始める。







「………………」

ハルはあまりの光景に言葉を失っていた。

「どうだ?スゲェだろ?」

シャンクスはにかりと笑った。

「こ、これが貸し切りなんですか?!」

ハルは驚いて声を出す。


団体客でも貸し切り出来るのではないかと思うほど広い岩の露天風呂だ。

「なかなか予約取れないんだってよ」

シャンクスが自慢気に言う。

「だって!凄いですもんね!」

「ほら、体洗って入って来い。それとも洗ってやろうか?」

「い、いえ!!!」

ハルは慌てて洗い場で体を洗う。

洗い場も3ヶ所付いていた。

背中だからと、タオルを取りながら洗う。




シャンクスがじっと見ているのには気付かなかった。

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