02
更に、数年後。
2人の子供である●●はすくすくと育ち、髪の毛はレン譲り、その他容姿はシャンクス譲りの将来有望な少年に育っていた。
「本当にシャンクスそっくりだな」
レイリーはまじまじと●●を見る。
「派手にいやな事思い出すぜ」
バギーも●●から目を離さない。
「いらっしゃい!」
●●はにかりと笑った。
「お父さんは中かな?」
レイリーも笑顔で聞く。
「うん!おじいちゃん!」
ーーピシィッ
「……お、おいガキ!それは……」
固まってしまったレイリーに慌ててバギーが●●を見る。
「ん?あかいおはなだね!」
「あぁん?!誰が赤っ鼻だ!!このくそガキ!!!」
●●の言葉にバギーが怒りに震える。
「おーい、●●!来たか?」
家の中からシャンクスが顔を出す。
「シャンクスてめぇの!!」
「シャンクス」
バギーの言葉を止めたのは絶対零度のレイリーの笑顔。
「教育が行き届いていないようだが?」
レイリーがシャンクスの耳元で地を這う声を出す。
「っ!!!す、スミマセン」
今や世界的にトップの赤髪の社長であるシャンクスは顔を蒼くしていた。
その様子にバギーまでもが顔を真っ青になっていた。
「いつまでも玄関で……。いらっしゃいませ、レイリーさん!バギーさん!」
なかなか部屋に入って来ない事に不思議に思ったレンが玄関へ迎えにやって来た。
「これはこんにちは、レンさん。お呼ばれに来たよ」
レイリーはにこりと笑った。
「ありがとうございます。さぁ、どうぞ、中へ!」
レンに促されレイリーが入り、●●が続いた。
「…………冥王怖ェ……」
「………………派手に衰えてねェぜ」
シャンクスとバギーは心臓の鼓動が速いままだった。
「ほぅ!○○か?良い名だな」
レイリーはにこりと笑いながら生後4ヶ月の○○を見る。
「はい、ありがとうございます」
「ぼくのいもうとなんだよ!」
●●がにこにこと嬉しそうに笑う。
「そうか。なら、兄であるお前が守らなくてはな」
レイリーは穏やかに笑うと●●の頭を撫でた。
「うん!」
●●は嬉しそうににこりと笑った。
「すみません。この子祖父母がいないので、レイリーさんに会うの凄く楽しみにしていたんです。何せシャンクスの師匠ですからね」
レンはにこりと笑ってお茶を差し出す。
「……そうか」
レイリーは先程の事を思い出す。
とても嬉しそうににこりと「おじいちゃん!」と言ったのだ。
「ふぎゃあぁあ!」
「あ、起きたのかしら?少し失礼しますね」
レンは○○を抱き上げる。
「●●」
「うん?」
レイリーに名を呼ばれ、振り返る。
「私の事を特別におじいちゃんと呼んで良いぞ」
レイリーはにこりと笑う。
「うん!おじいちゃん!」
●●はにこりと笑った。
その笑顔が昔のシャンクスを思い出させた。
「おとうさん!」
●●はシャンクスの顔を見るとにこりと笑った。
「おう、レンと○○は?」
ようやく呪縛から解けた2人は部屋に入って来た。
「にかい!おっぱいみたい。おじいちゃんとあそんでたんだよ!」
●●の言葉に再び固まる2人の男。
「●●!!」
「お前!」
シャンクスとバギーは慌てて●●の口を塞ぎレイリーをチラリと見る。
「そうだ、2人で遊んでいたんだ。な?」
「うん!!」
レイリーと●●はにこりと笑い合った。
それはまるで本物の祖父と孫の様に。
「……何が起きた?」
「…………さぁ」
シャンクスとバギーは訳が解らないと2人を見た。
「お待たせしました!○○です」
お腹もいっぱいになり、目を開けた○○をレンが抱いて現れた。
「おぉ!派手にレンさん似だな」
バギーがまじまじと○○を見る。
「そうだな。赤髪は父親譲りだが」
レイリーも顎を撫でながら見る。
「ふふ、抱いてみます?」
レンはにこりと笑う。
「いや……俺は」
バギーが後込みする。
「大丈夫ですよ、首もすわってますし」
レンがにこりと笑う。
「なら、手を洗って来よう。●●、どこだい?」
「こっち!」
レイリーの質問に●●は笑顔で立ち上がる。
「はは、可愛いものだな」
レイリーは座ったまま○○を抱く。
「あ!○○ちゃんわらってるね!」
●●はにこにことレイリーの背中におぶさる様に見る。
「本当に家族みたいですね」
レンはそんな様子をにこりと見た。
「そうか?ふふ、嬉しいものだな」
レイリーは目を細めた。
「バギーさんもどうぞ?」
レンが促す。
「そ、そうか?じゃあ」
が、
「あ?俺の大事な娘をお前なんかに触らせるかよ!」
バギーがレイリーから○○を受け取る瞬間、シャンクスが奪い取る。
「あぁん?!この赤髪がぁ!!!」
バギーは思いきり顔をしかめてシャンクスを睨み付ける。
「うっせェ!!菌がうつる!バギー菌が!!!」
シャンクスが○○を隠すように抱きかかえる。
「カッチーン!派手に死ねィィィイ!!!」
ギャーギャーと騒ぎ出す前に○○を素早く奪い取る事に成功したレンがそっとため息をつく。
「はは、少しは大人になったかと思ったが、まだまだたな」
レイリーは呆れた様に笑う。
「ふふ、本当に」
レンも少し呆れながら笑った。
「●●。悪いが、新聞を持ってきてくれるか?」
「いいよ!」
レイリーの言葉を素直に聞いた●●が部屋から出ていく。
「レイリーさん?」
「子供の前で父親を叱るのは可哀想だろう?」
レイリーはにやりと笑うと立ち上がる。
レンはその笑顔に冷や汗を感じながらも、何も出来ずにシャンクスとバギーの頭を殴るのを見守った。
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