01
シャンクスとレンが結婚してから数年後。
2人の間に待望の子供が産まれた。
「お、遅くなった!」
シャンクスは慌てて病院へと走り込んだ。
産まれた翌日、面会時間ぎりぎりだ。
「来てくれるだけで嬉しいよ」
レンは嬉しそうに笑うとベッドから身を起こす。
「あァ、無理するな!」
シャンクスはやんわりとレンをベッドに戻す。
「うん。ありがとう」
「ふぎゃあぁあ!ふぎゃあぁあ!」
「あらら」
突然泣き出す新生児。
「お腹空いたのかな?」
レンは丁寧に首を気にしながら抱き上げる。
「シャンクス。はい」
「は?」
「あ!その前に手、洗って?」
「あ、あァ」
シャンクスは言われた通りに手を石鹸で丁寧に洗う。
「ん!じゃあ抱っこしててね」
レンはシャンクスに我が子を渡す。
「お、おゥ」
シャンクスは慣れない手付きで抱く。
「やっぱり男の人は手が大きいね。殆ど片手で抱けるね」
レンはクスクスと笑いながら緊張で固まる夫を見る。
レンは素早く粉ミルクを哺乳瓶に入れて熱湯で溶かす。
「ほら!泣くな!」
シャンクスは腕の中で泣き続けていた。
「授乳クッション用意してっと、ありがとうシャンクス!」
レンはベッドに座って授乳クッションを膝に乗せ、手を出す。
「あァ」
シャンクスはゆっくりとクッションの上に我が子を乗せる。
「はい、飲めるかな?」
レンは我が子の口許におっぱいを持っていく。
ちょっと無理矢理口に入れると、くちくちと小さな口で飲み始める。
「おォ!飲んだな」
「どうかな?」
感動気味に見るシャンクスにレンは苦笑する。
「ん?」
「まだね、おっぱいの出る量が少ないの」
レンは困った様に言う。
「そうなのか?」
「うん。すぐに出る人もいるみたいだけど……。これからね!」
「そうか。無理はするなよ」
シャンクスは穏やかに笑うとレンの頭を優しく撫でた。
「ありがとうシャンクス。そうだね」
レンは少し寂しそうに笑った。
(やっぱり産んだばかりだと、ホルモンバランス崩れるんだな)
ヤソップに前以て聞いていた情報で、なるべく優しくレンの相手を心掛ける。
「よし!なら俺はミルクを冷ますか」
「あ!ありがとう!人肌にお願いします」
「よし、任せろ!」
シャンクスはにかりと笑うと熱々の哺乳瓶を水で冷やし始める。
「ふぎゃあぁあ!」
「あら?やっぱり足りないよね?」
乳首から口を離して泣き始める我が子を切なそうに見る。
「なぁなぁ、俺あげて良いか?」
わくわくと楽しそうに笑うシャンクス。
「うん!そうしてあげて」
シャンクスは哺乳瓶を持ってレンの隣に腰を下ろす。
「はい、どうぞ」
「ほら!飲め」
丁寧にシャンクスの膝の上に我が子を乗せる。
シャンクスは哺乳瓶を我が子の口許に持っていく。
「はぁ、これが女の子なら良かったのにな」
ごくごくと飲む我が子の顔を見ながらポツリと言う。
「ふふ、そう言わないであげて?私に似た髪色でしょ?」
レンはクスクスと笑う。
「まァな」
シャンクスは今は良いと我が子を抱く幸せを噛み締める。
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