旅立ち

「う……ん……」

○○は目を覚ます。
大きなベッドに一人で眠っていた。

「え……と……」

だるい頭をなんとか動かした。
昨日はロックアックスに着き、カミューと再会し、誤解も解けたのだ。

「っ!!」

何回したかも覚えていないほどに抱き合った。
○○は照れ臭さと、体のだるさから目をそらす為に、部屋を見回した。

「カミュー……?」

部屋にはカミューの姿はない。少し不安になったが、テーブルの上に書き置きがあった。

「仕事がありますので、行ってきます」

それとカミューのサインがされていた。

「そっか。って、昨日は仕事してたんじゃ……。あれ?サボらせてしまったの?」

○○はサーっと顔を青くする。
とりあえず、風呂に入ろうと湯を溜める。

昨日とは違い、ゆっくりと満喫する。

部屋を見渡すと、何やら小さな扉を見付けた。恐る恐る興味に負け、開けてみる。

「あ、これ私の服」

○○はかごに入った洗濯済みの自分の服を見付けた。

どうやら、かごは紐で繋がっていて、可動式になっているようだ。

自分の服に袖を通すと、窓を見る。

「あっ!」

○○は窓からU主達がいるのが見えた。

どうやらロックアックスの出口に向かっている様だ。

○○は迷わず部屋を飛び出した。
階段を駆け抜け、宿屋を出て、U主達に追い付く。

「U主くん!ナナミちゃん!ジョウイくん!」

○○は息を切らせながら声を出した。

「○○さん!」

ナナミがいち早く気付いて振り返る。

「もう、行くの?」

○○はそう3人を見た。

「はい、お世話になりました」

U主はぺこりと頭を下げる。

「ううん、そんな事。私の方こそありがとう。無事にカミューさんと仲直り(?)出来たよ」

○○はにこりと笑った。

「良かった!」

ナナミは嬉しそうに笑った。

「また、どこかで会ったら、宜しくね」

「こちらこそ!」

ジョウイが頷くと3人は手を振ってロックアックスを後にした。




○○が宿屋に帰ると、部屋にはカミューがいた。

「カミュー?お仕事は?」

○○は不思議そうに呟いた。

「……○○。もう、勝手にどこかへ行かないで欲しいな」

カミューは苦笑した。

「え?あ、U主くん達にお別れを」

○○は自分が部屋から飛び出した事を悔やんだ。

「そうだと思ったよ。ここから見てた」

カミューが窓を指差した。

「俺は君が居ないだけで取り乱す様な情けない男になったと言っただろう?」

カミューはゆっくりと○○に近付くと、両手で○○の両頬を包み込む。

「ご、ごめんなさい……」

○○が謝ると、カミューは優しくキスをする。

「許しましょう」

にこりとカミューは笑った。

「ねぇ、カミュー。何だか、どこかへ行くの?荷物も持って」

○○がカミューを見ながら言う。

「グラスランドへ」

カミューは短く答える。

「あ……えっと、行ってら」

しゃいと言おうとした○○の唇を奪う。

「んん」

「……。離さないと言ったね?」

カミューは真剣な顔をする。

「い、一緒に行っても良いの?」

「当たり前だろう」

○○の言葉にカミューは頷いた。

「と、言っても残念ながら2人じゃなくて、マイクロトフも一緒にだけどね」

カミューは少しおどけて言う。

「それも楽しそうね」

○○はニコニコと笑う。

「グラスランドは俺の生まれ故郷だからね。○○も一緒に行ってくれるのは嬉しいよ」

カミューは○○を抱き締める。

「それ……私も楽しみだわ!」

○○もカミューを抱き返しながら笑った。





そして、カミュー、○○、マイクロトフはグラスランドへ旅だった。



(完)









***








終わりましたーー!!!

○○様、ここまで読んで頂いてありがとうございました!!

とりあえず、これにてカミュー編完結でございます!!

今更ながら幻水Uにまたハマり、カミュー大好きだー!!と言う気持ちで始めたこのサイト。
見てくださった皆様本当にありがとうございました!!

気が向いたらグラスランドバージョンを書こうと思っております。
一応外伝もやってるので、外伝内容でも良いのですが、きっと外伝はやらないと思います(笑)

幻水Uにハマって早10年(笑)やっぱりUが一番好きです♪

これからも、「朝の花」を宜しくお願いします♪

是非!!感想などいただけたら、嬉しく思います!

そして、好きなキャラ語り合いましょう(笑)


本当にありがとうございました!!

[ 31/31 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -